
こんにちは。家電コンシェルジュのSallyです。
先週、三菱電機の人気炊飯器「蒸気レスIH」の新製品が発表されました。2011年2月1日に発売される蒸気レスIHは、初代から数えると3代目になる、ロングセラー炊飯器。蒸気が出ないので置き場所を選ばないことや安全性の高さ、スタイリッシュなデザインに加え、連続大沸騰を維持して甘みのある理想的なごはんを炊き上げることを実現した蒸気レスIHですが、2代目では内釜にあの「本炭釜」を採用したタイプも加わり、時間を掛けてさらに美味しさを引き出す「匠芳潤炊き」モードを搭載、ラインナップが増えて選ぶ楽しみが増えました。
3代目では、どこが変わったのかというと、本筋に変更はなく「誰にでも使いやすく」という点を強化しているのが特徴です。

炊飯器の天面にある液晶パネルの文字の高さと液晶面積を1.3倍にし、暗いところでも楽に読めるような表示になっています。

こちらは2代目(現況)モデルの蒸気レスIH。

そして、これが3代目の蒸気レスIHの操作パネル部分。確かに液晶が大きくなっていますし、「音声ナビ」ボタンもついていて、「炊飯」ボタンもオレンジがかった黄色でよく目立ちます。
「音声ナビ」がついたことで、メニュー設定や予約時間などによって確認できるようになり、間違えて設定してしまって「しまった!」ということがなくなりました。蒸気が出ない安全性の高さから、目の不自由な方たちにも愛用されているという蒸気レスIHですが、耳で確認できるというのは、操作状況が確認できて、目の不自由な方はもちろんのこと、すべての人に便利な機能だと思います。慌てて操作していて、ボタンを1回多く押しすぎて設定を間違えてしまっていた…なんていうことはよくありますものね。
とはいえ、「毎回毎回、音声でナビしてくれるのは鬱陶しい」と思う人もいることでしょう。そうした人には、音声ナビをやめることもできますのでご安心を。
でも、蒸気レスIHの場合、蒸気を水に変えるための「水冷タンク」に水を入れて使うのがポイントになりますが、水を入れ忘れてスイッチを入れようとした場合には、音声ナビをオフにしておい時でも、「タンクがないか水が多すぎます」などのような注意喚起の音声だけはなくならずに、きちんと教えてくれるようになっています(もちろん、画面にも表示されます)。
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そしてもう一つ。リリースにも記載されていないし、パンフレットにも現段階では記載しない予定だという「隠しモード」があるので、ここでこっそりご紹介したいと思います。

それは、上の画面にある
「合ピタ」機能。うまみと甘みを最大限に引き出すという「匠芳潤炊き」コースボタンを二度押しすると、この「合ピタ」設定表示が出るようになっていて、その後で、自分が炊くごはんの量に合わせて1合〜5.5合まで0.5合刻みで設定でき、究極の美味しさが実現できる仕組みになっています。
「5.5合炊きの炊飯器で1合などの少量のごはんを炊いても、今一つ美味しさに欠けるから、やっぱり3号くらい炊かないとね」なんて思って
いる人が多いと思うのですが、これってまんざら間違いでもないんですよね。
今の炊飯器はどのメーカーさんのものも温度上昇などの検出手段がついていて、それによって炊飯するお米の量を推測し、炊飯時間や炊き方をコントロールしているわけですが、それが生きてくるのは吸水過程以降、一気に加熱していく「立ち上げ」工程以降のこと。今回、「隠しモード」として搭載された「合ピタ」機能は、合数を設定するというひと手間がかかってしまうけれど、吸水という最初の段階から合数に応じて細かく制御して理想の炊飯を実現できるようにした、究極のモードなんですね。
誰も皆、研いだお米をセットして、コースや炊き方を設定すれば、合数に応じたおいしいごはんが炊けると思っているかもしれないけれど、「ごはんを炊く量」まで、炊飯器に入力することで、その先のおいしさがあるというわけ。
……「でも、どうして隠しモードなんかにするんですか? リリースに載せたり、パンフレットに載せたりして、もっと大々的にみんなに教えてあげたほうがいいじゃないですか」と私が質問したら、「三菱の炊飯器はそんな面倒なことをしないとおいしいご飯が炊けないのか」とマイナスに思ってしまう人もいるからですよ」と。
ということで、三菱では「買った人だけにわかる“隠しモード”にして、設定にひと手間かけてもさらにおいしく!ということに納得した人だけに使ってもらおうと決めたのだとか。
ちなみに、三洋電機の「おどり炊き」にも「量ピタ」機能というのがあって、合数に応じて炊き上げ時のかき混ぜ回数を変えたり、保温温度を変えたりしますが、これも炊き上げの初期の工程には反映されていないようです。
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だれにでも使いやすく…ということを前面に押し出している三菱の家電群だからこそ、こうしたこだわりの機能はひっそりと隠しておきたいのかもしれないけれど、「なんでもおまかせ」の時代の今、きちんと納得してその良さが伝われば「大ファン」になる人も多いのではとも思います。
さて、この隠しモードの「合ピタ」、来年2月1日発売以降、どんなふうに使われるのか気になるところです。