こんにちは。家電コンシェルジュのSallyです。
2011年に登場したオーブンレンジ、各メーカーの製品の特長についてご紹介する記事、その2です。前回は日立「ヘルシーシェフ」と東芝「石窯ドーム」について、オーブンの特長をいかしたお料理を中心にご紹介しました。今日は、パナソニック、シャープ、三菱です。
-----
■パナソニック「三つ星ビストロ」NE-R3400
パナソニックの「三つ星ビストロ」といえば、レンジ加熱とヒーター加熱の両方を同時に行う「合わせ技セット」でしょうか。使う機能は違いますが、過熱水蒸気(=いわゆる“水で焼く”というもの)で調理するシャープのヘルシオが、セットメニューを打ち出してきた後、パナソニックならではの方式で「合わせ技」が登場。すっかりおなじみになっています。今では、日立や東芝のオーブンレンジでも合わせ技ができるようになっていますが、メニュー数の豊富さやスピードでいえば、やっぱり「ビストロ」ですね。
ご覧のように、光ヒーターで上段の肉などを焼き、下段ではマイクロ波、つまりレンジ調理で煮物をすることができます。この時、肉をのせているグリル皿の底の部分がマイクロ波によって発熱するようになっているため、調理時間がより短くなっているというわけ。
先日の「スッキリ!」の放送では、この合わせ技セットのよる「肉団子の野菜あんかけ」を作ってみました。上段で肉団子とピーマンを焼き、下段には玉ねぎやたけのこなどの具材とあんかけの調味料、水をセットして煮ていきます。
23分程度で仕上がるので、下段のボールに焼いたピーマンを入れ、水溶き片栗粉を入れてとろみをつけ(再び加熱する必要はありません。余熱でOK)、肉団子にかければ出来上がりです。
この料理の場合は、「肉団子+野菜入りの甘酢あん」を同時調理し1品仕上げましたが、「上段で魚の焼き物+下段で野菜の煮物」など、2品作ることも可能です。このあたりは、やはり同梱されているレシピブックをチェックして、作っていくしかないでしょうね。
■10分でちゃんとごちそう100レシピ集
この合わせ技セットは以前から出来ていましたが、2011年モデルでは、光ヒーターがパワーアップしたことや、グリル皿の発熱量が50%アップしたことから、よりスピーディに調理できるようになったことが大きな特徴でしょうか。それに合わせ、通常のレシピブックに加え、「10分でちゃんとごちそう100レシピ集」というものも、新たに同梱されています。ただし、10分メニューは分量が2〜3人前がベースなので、4人家族には向かないかも。でも、“時短”というキーワードを元に、レシピ提案をして顧客の心をとらえようというところはさすがパナソニックですね。
操作パネルですが、実際に使ってみて感じたのは、「タッチパネルでなくて、残念」ということ。フードコーディネーターの松下さんも、何回もパネルをさわってしまって「ここじゃなかった」と慌てて操作パネルの右わきにある操作ボタンに手を移動させていました。パネルに出てくる表示を、右側にある操作ボタンの上下左右の矢印を推すことで行うのは、案外やりにくいものです。いっそのことダイヤル式のほうが使いやすいように思いました。ただし、パナソニックのオーブンレンジは、操作のたびに音声でガイドしてくれるので、その点は行き届いています。
-----
■シャープ「ヘルシオ」AX-PX2
今月25日に発売になる8代目のヘルシオ。“水で焼く”という過熱水蒸気(高温の水蒸気のこと)による健康調理が特長です。脂や塩分が落ちるという点も魅力ですが、栄養素を破壊しにくい調理方法という点にも注目。「健康調理=まずい」という印象を持つ人もいるようですが、何度試食しても、実際に家でサンプル機を使ってみた際にも「おいしく調理できる」と思います。
これは、ヘルシオのメニューの中でも代表選手といえる「鶏の照り焼き」。青木アナウンサーが「おいしすぎる!」と絶叫したほどの、絶妙な焼き具合に仕上がって、私なんてこれだけのためにヘルシオが欲しくなってしまったほどです。もも肉2枚を20分強でここまでこんがりジューシーに焼き上げるのですから、決して調理時間が長いなんてことはありませんよね。脂が相当量落ちるのでパサパサになるのかと思いきや、そんなことはありません。フライパンでこんなふうにはいきませんものね。照り焼きの下味をつけてあると、焦げやすいし、中まで上手に火を通すのが難しいです。
他のスチームオーブンレンジと比べて、調理時間の長さがネックと言われてきたヘルシオですが、2011年モデルでは「ヘルシオエンジン」をさらに改良&進化させて10%の時短を可能にしています。20分の10%は2分ですから、わずかなようですが、常に進化している証なのだなと思います。
さてさて、これが2011年モデルに新しくついた「骨までやわらか機能」。さんまの柔らか煮は、まさに缶詰のよう。骨がホロッと崩れるように軟らかく煮えます。
さんま4匹で2時間50分ほどかかりますが、これを長いと考えるか、放っておいていいのだから楽と考えるかはその人次第ですね。調理家電は「使っていない時間のほうが長い」ので、いつもの調理以外の空いた時間を利用して、健康調理をしてもらえないか・・・という発想から考えられたのがこの「骨までやわらか」。開発当初は5〜6時間かかっていたものを、温度その他の制御により、効率的に過熱水蒸気調理をすることで2時間50分まで短縮することが可能になったとのこと。
週末の空いた時間や、深夜など、ゆっくりと時間をかけて魚を調理できるのはいいなと思います。時短が叫ばれていますが、時間の使い方の転換をすればスローな調理もプラス思考にかわりますものね。しかもガスと違ってつきっきりになる必要はないし、焦げ付きの心配もない。あえてスローな調理方法を提案してきたヘルシオに拍手!
■カラー液晶のタッチパネルは使いやすい
液晶のシャープだけあって、カラー液晶のタッチパネルはとても使いやすいし、見やすいです。でも、2011年モデルのイチオシらしい「赤外線通信で携帯やスマホの写真を連携できる」という機能はちょっと疑問も。なので、番組でもこの部分はスルーしてしまいましたが、小さいお子さんがいらっしゃったりして、ハレの日のごちそうの写真を家族で共有したり、手書きのレシピメモを携帯で撮ってヘルシオに保存しておいたり・・・という使い方は便利かも。
-------
■三菱電機「ジタング」RG-FS1
三菱電機が4年ぶりに投入してきた新しい調理家電「ジタング」。レンジ→グリルの連動調理によって超スピーディかつ、簡単に調理ができる「毎日使える利便性」が魅力です。揚げものの温め直しも驚くほどはやく出来ておいしいことについては、この「Sallyの家電研究室」でも何回かご紹介してきましたし、日経トレンディネットでも記事にしています。
2段調理はできませんが、ご覧のように庫内がコンパクトなため、オーブン調理でパンを焼く、ケーキを焼く・・・という際にも予熱は不要。その名のとおり『時短』を極めています。効率のよさで省エネ達成率115%。業界ナンバー1というところも見逃せませんね。
番組でも放送した、焼きそばやから揚げなど、具材の分量や種類、加熱時間などに神経質になる必要がなくて、すべてお任せでいいところが最大の魅力だと思います。
■操作ボタン
次に操作するボタンのキーが光るのでわかりやすいですし、オーブン調理やレンジの温めなどで時間の設定をしたい場合も10秒、1分、5分の3つのキーのみで操作できるのが思いのほか便利です。たとえば「レンジ→グリル調理」で調理した際に、「あれ?もうちょっとだけ焦げ目があるほうがいいな」と思うなら、「1分」のボタンをおして、「スタート」すればOK。30秒なら「10秒」のボタンを3回おすという使い方になります。
-----
ということで、ざっと5機種についての説明をしましたが、日立、シャープ、東芝の製品については、記者発表会および開発者への取材でさらに細かい点についてもチェックしてありますので、いずれまた詳しくご紹介できればと思っています。