2013年01月31日

【ラジオ出演のお知らせ】明日の朝bayfm78「パワーベイモーニング」に出演します

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

忘れないうちに明日のラジオ出演のお知らせです。bayfmの朝の情報番組「パワーベイモーニング」の『デリナビ』というコーナーで、今回で9回目の出演になります。時間はだいたい7時30分〜10分程度。きゃんさんとのトークは毎回テンポよく進むので、話すのが楽しい♪

お話しする内容は、最近話題のちょっとおもしろいサービスについて。「え?何?」と気になる方は、ぜひお聴きくださいませね。radiko.jpでも聴けますよ!


2013年01月30日

プチプラなのに機能が充実!ビジョーナの「吸引&フェイスローラー」

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

かつらメーカーのアデランスが頭皮ケアにも美肌ケアにも使える美容機器「ヘアリプロ エスシー」を発売するなど、美容家電市場がますます盛り上がりを見せていますね。

先日、小泉成器の美容家電シリーズ「Bijouna(ビジョーナ)」の新製品をいろいろと見せてもらってきました。10アイテムあるエステアイテムのうち、気軽に買える“プチプラ(プチプライス)美顔器”は、世代に関係なくおすすめのライン。中でも気になったのが、「吸引&フェイスローラー KBE1900P」で、3000円でおつりが来るという価格なのに、機能が充実しているんですよね。

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18金メッキコーティングされた3つのボールが回転して、フェイスラインやネックラインのリンパの流れを整えて、リフトアップ効果を期待できるだけでなく、付属の吸引カップを付け替えることで、小鼻や頬など気になるところの毛穴ケアもできてしまうという優れもの。

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私も頬の部分で試してみましたが、しっかりした振動で心地よい刺激感があり、リラックス効果もありそうです。

でね、ビジョーナのサイトにも「本体機能:回転フェイスローラー(回転方向切り替え)」としか説明がないんですが、これってものすごく考えられているんです。

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本体の裏側の上のボタンは、「回転/吸引の切り替え」で、その下のボタンは「吸引」で使う際の「High/Off/Low」、そして回転の際の「Right/Off/Left」。

つまり、フェイスローラーとして使う際に、ボールの回転が右方向と左方向とに切り替えられるというわけ。頬に使う場合、外方向に回転させて使うのがリフトアップl効果をねらう場合大切だと思うのですが、同じ方向でしか回らないと本体をひっくり返して使いたくなりますものね。頬のどちら側で使うかどうかに合わせて、ちゃんと切り替えられるようになっていることって、とても大切なことだと思うのです。

ビジョーナの開発チームの女性陣は「でも、それって当り前だし」と言っていましたが、「プチプラだけど、きちんと考えて作っています」ということ、伝えないともったいないですよね。今回、いろいろとお話しを聞いて、一番感激したのが、ここでしたから。

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吸引用のカップがついているので、毛穴の汚れのケアにも使えます(これは試してみませんでした)。吸引の範囲によってアタッチメントを選べるし、吸引の強さも2段階から選択できるのもいいですね。

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吸引用のアタッチメント(写真はスポット用)を付けたときのイメージはこんなふう。

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ちなみに、こうしたケアは男性陣にも人気のようで、同じく小泉成器の男性美容家電のラインアップ「OMENS」のほうにも、男性バージョン吸引&フェイスローラー KMC-0340/Wがあります。フェイスラインや毛穴ケアに悩んでいる男性はこちらを使ってみてはと思います。

近日中にもビジョーナの「吸引&フェイスローラー」を購入予定なので、使用感などについては、またあらためてレポートいたしますね。




2013年01月29日

【Senka21】特別提言「家庭の中にニーズを捉えて商機拡大を」

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

以前、ご紹介した音元出版主催の「スマート家電グランプリ」。初回は審査会が11月初旬に開かれ、11月末には家電量販店の店頭などでも冊子が配布されたり、売場が作られたりしましたが、3月中旬には「スマート家電グランプリ2013 SPRING」の受賞モデルが発表される予定です。

このアワードの審査委員を務めているご縁で、音元出版が発行する業界誌「Senka21」に、家電業界に向けての特別提言を依頼され、見開き2ページを執筆しました。

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「Senka21」は書店ではなく、Webサイトからの直販制をとっているので、気軽に読んでいただけるものではありませんが、家電業界の方でご興味がおありのかたは、ぜひ、下記のサイトから申し込んで、お読みくださるとうれしく思います。

→ Senka21

なお、1月号ではトップインタビュー企画で、エディオンの代表取締役社長・久保氏、シャープの執行役員国内営業本部副本部長 兼シャープエレクトロニクスマーケティング社長の新氏、ソニーマーケティングの代表取締役 執行役員社長・河野氏ほか、メーカー各社のキーマンが語る「業界展望」が読み応えたっぷりでした。

今回の2月号では、「仕掛ける売り場」と題して、ビックロやヨドバシAkiba、コジマ成城店が大々的に取り上げられているほか、トップインタビューではケーズホールディングスの代表取締役会長兼CEOの加藤氏、ジャパンケーブルネットの代表取締役社長・藤本氏が登場しています。

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2013年01月28日

コンパクトでおしゃれなエレクトロラックスの電子レンジが日本にやってきた!

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

最近、オーブン調理ならぬ、「オーブントースター活用術」のような、レシピが人気なのだそうですね。オーブントースターは価格も安いですし、予熱に時間もかからず、コツさえつかめば、気軽に調理できるということなのかもしれません。そんなオーブントースター派の人や、以前にもここでご紹介したようなデロンギのコンベクションオーブンのようなものを愛用している人にとって、温めや冷凍素材の解凍用に必要なのが、オーブン機能なしの「単機能電子レンジ」ではないでしょうか。

現在、日本の家電メーカーのものではパナソニックやシャープの製品が家電量販店の店頭に並んでいるかと思いますが、なんと海外家電メーカーのエレクトロラックスからデザインの素敵な電子レンジが発売されました。

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実は、海外ではその90%が単機能の電子レンジで、「オーブンレンジ」というものはないのですよね。しかも、基本的にはワット数(出力)を選んで、時間設定を自分でするという、いわゆる「手動」が普通なのです。

センサーで食材の様子を見張り、何でもオートで温めてもらうことに慣れている人には、「え?手動?」と思うかもしれませんが、使い慣れてしまえば、「ごはん1膳の温めなら、600Wで1分くらいかな」というように、だんだんわかってくるもの。オートで温めたものの、「温めすぎでかたくなっちゃった!」なんてことがないように、控えめに時間設定をして、様子をみながら温める・・・という使い方も悪くないようにも思います。

このエレクトロラックスの電子レンジ EMS21200JSは、庫内容量が23Lと手ごろなサイズ。最近の日本のオーブンレンジはターンテーブルのないタイプが多くなりましたが、この製品は「リターンテーブル」タイプ。

「え?ターンテーブルじゃなくてリターンテーブル?」と不思議に思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。そうなんです。丸い形のいわゆるターンテーブルがついているのですが、この回転皿が初めに入れたときと同じ向きで止まるところが、他にはない特徴なのです。

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たとえば、こんなふうにマグカップの取っ手がななめ右側に来るように入れたとします。ミルクなどの飲み物の温めが終了した際に、扉を開けてみると、ちゃんと同じところでストップしているということ。

その利点はどこにあるのかというと、ズバリ「取り出しやすさ」です。だって、カップが熱くなっているかもしれないのに、扉を開けたときに取っ手が奥のほうに向いていたら、カップの本体を持たなくてはならなくて、「アチッ!」という心配も。でも、入れた時と同じ向きなら安心でしょう?

そうそう。上の写真ではかなり大きめのマグカップを使っているので、庫内が狭そうにおもうかもしれませんが、ターンテーブル(回転皿)の直径は27cmあります。

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・90W・・・冷凍ケーキなどの『弱解凍』に。
・180W(解凍マーク)・・・肉や魚などの冷凍食材の解凍に
・300W・・・煮込み料理などに
・500W・・・冷凍食品などに温めに
・600W・・・お弁当などの温めに
・700W・・・飲み物などの温めに

左端のベルのマークに合わせると、キッチンタイマーとしても使えます。

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出力設定のダイヤルの下には、時間設定のダイヤルがあります。先ほどもお話ししたように、上手な使い方は弱めに加熱しておいてチェックし、「まだもうちょっとかな?」と思ったら、追加加熱するやり方。そのために「プラス30秒機能」というのがあって、500Wで2分30秒に設定して加熱した後、「あともう少し」と思ったら。ダイヤルのまん中の「+30」を押すと、出力(W数)はそのままで、30秒加熱できる仕組みになっているのです。

このあたり、三菱のレンジグリル「ZITANG」も同じような考え。簡単に追加加熱できるようになっているのは便利ですよね。

タッチパネルでもないし、レトロな感じのダイヤル式ですが、使い方を迷うことがないし、「これで十分」という人、案外多いんじゃないでしょうか。

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わかります? 扉部分の下方が傾斜していて、デザインがステキなんです。カラーも、ホワイトとグレーの2色あります。これで店頭価格はだいたい12,800円とのこと。まだ発売されたばかりなので、ビックカメラなど一部の家電量販店での取り扱いのようですが、これから販売店を拡大していくそうです。

コンパクトでデザインのよい、単機能電子レンジが欲しい・・・という方は、選択肢の1つに加えてみてはと思います。

そうそう、日本の家電メーカーさんに提案ですが、デザインがよくて、使いやすく、高機能な電子レンジを作ったら、案外人気が出るのではと思います。多機能ばかりが求められているのではないですものね。これからは「シンプル」&「ミニマル」です。



2013年01月27日

【BestGear3月号】アンダー5万円の掘り出しモノ&最新空気清浄機ナビ

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

徳間書店発行「BestGear(ベスト・ギア」3月号にて、2つの企画に取材協力しました。

巻頭特集の「激安良品〜アンダー5万円の掘り出しモノ90」では、『掃除と食器洗いは家電に任せよう!』ということで、パナソニックのプチ食洗と、ルンバ620を推薦。コメントを寄せています。

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そして、まもなく訪れる花粉飛散時期に合わせての「最新『空気清浄機』ナビ」は、全9ページの力の入った企画。イマドキの室内空気事情から大手2社の加湿空気清浄機についてのメーカー取材、加湿空気清浄機・空気清浄機の最新モデルガイドなど、これまで空気清浄機を使ったことがある人も、これから導入を考えている人にも役立つ内容。

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私は、P116〜117の見開きページの「最新モデル全方位ガイド」の部分を監修&それぞれのモデルについてコメントを寄せています。

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左上の「スペックを読み解くための重要用語」のところ、「風量、最大加湿量、風量、適用床面積」となっていて『風量』が2つありますが、左端の部分は『運転音(dB)』のことですね。この見開きページについては、全部目を通したつもりなのですが、見落としました! ごめんなさい。

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各機種について、こんなふうにひと言コメントを寄せていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。



2013年01月26日

【週刊SPA!】絶対来る「2013年ニッチブレイク」ベスト5〜白物家電編

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

今週火曜日に発売された週刊SAPA!(1/29号)では、P44〜47で「絶対来る2013年ニッチブレイクベスト5」というユニークな企画を組んでいます。ご当地アイドルだったり、缶詰だったり、動物園のアイドルだったり。私からはちょっと言うのが憚られるようなものまで。そんなユニーク企画の中に、なぜだか白物家電もエントリーされていまして、その識者として選定を頼まれました。

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詳しくは誌面を見ていただくとして、1位に選んだのは、タイガーの炊飯ジャー「大人のtacook」。昨年2月に若い女性向けの新機軸の調理家電として誕生した「タクック」のバージョンアップ版というか、対象を男性やシニア層にまで広げたもの。

3合炊きの炊飯ジャーとしての機能はもちろんのこと、付属のクッキングプレートをセットすると、炊飯時の蒸気の利用で一緒におかずまで作れてしまうという便利&時短&エコ家電です。これ、炊飯器の買い替えだけでなく「買い増し」の家電としても人気があるのだそう。つまり、すでに炊飯器は持っているけれど、便利な調理家電として買いたすということ。デザインが斬新な「タクック」のほうも引き続き販売されているので、好みの応じて選んでほしいと思います。

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2013年01月24日

【MONOQLO3月号】今、最もお買い得な家電ランキング50

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MONOQLO (モノクロ) 2013年 03月号

こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

年末〜新年早々に取材を受けた雑誌の見本誌が続々と送られてきているので、ご紹介しますね。まずは晋遊舎発行のテストするモノ批評誌「MONOQLO」3月号。大特集のテーマは「中古VS新品 辛口大捜査」。その流れの中で、2月末までの限定という注釈つきで、「今、最もお買い得な家電ランキング50」の企画にアンケート協力および、座談会に出席して、その時の様子が掲載されています。

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どーんと7ページにわたって、白物も黒物も一緒に得票数の多かったものが紹介されています。

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こちらが座談会に参加した、デジタルライターの岡安学さんと、AVライターの熱田浩司さん、そして私。私は黒モノのほうは詳しくないので、お二人の話がおもしろくて本当に勉強になりました。出席者の一人でもある岡安さんが本文をまとめてくださったのですが、エッセンスをうまく抽出してわかりやすく、読みやすい内容になっていますのでぜひ(本音トークもあります)。

今回の記事はいわゆる「型落ち」と言われるものについてですが、「新モデルとの価格差が大きくて、かつ機能差が小さいもの」がおすすめということ。そのあたりの判断が面倒だという人は、このランキングの内容や座談会の内容が参考になると思います。



タグ:中古 MONOQLO

2013年01月14日

家電のコンパクト&プレミアム化の潮流と、復活を望むシャープの「食洗機」のこと。

※先日、別宅「神原サリーの顧客視点マーケティング」に家電関連について、2つの記事を書きました。マーケティング視点での記事ではありますが、家電関連の話題なので、2つの記事をまとめて再編集したものをこちらにも掲載したいと思います。

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

食用油や加工食品などに小容量品が多数登場していて、人気を博しているとのニュース記事が出ていました。厚生労働省が2012年7月に発表した調査結果によると2011年の平均世帯人員は2.58人とのこと。1989年の調査時に比べて、一人暮らしの世帯は約1.5倍、夫婦のみの世帯は約1.7倍に増えているといいます。約20年でこれだけの数値が出ているのですから今後ますます、1人世帯、夫婦のみ(もしくは2人で同居)の世帯が増えることでしょう。

こうした背景を受けて、食品メーカーでは小容量品の品ぞろえを拡充し始めたことが記事になっていますが、これは食品だけのことではありません。毎日の必需品である生活家電においても、シングルもしくはディンクス向けの製品に注力し始めています。これまでターゲットを4人家族のファミリー層に絞っていた生活家電ですが、今後はさらにアラサーアラフォー世代のシングル&ディンクス層や、その親世代に向けて、少人数向けでかつプレミアムな家電が求められるのではというのが私の見解です。

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代表的なものといえば、2011年に初代機が登場した、パナソニックのプチドラム。マンションサイズの防水パン(60cm×60cm)にも置けることや、昼間留守にしているからこそ、外干しができずに必須ともいえる「乾燥機能」がついたコンパクトサイズのドラム式洗濯乾燥機が大きな評判となったのでした。

続いて、2012年3月には働く少人数世帯にこそ使ってほしいと「プチ食洗」を投入。30〜40代のシングルもしくはディンクス世帯だけでなく、その親世代となるシニア層にも注目されています。

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パナソニックだけではありません。たとえば、三菱電機の高級炊飯器「本炭釜」にも3.5合炊きの『小釜』といわれるものが登場しています。

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ここで重要なのは、単に少人数世帯をターゲットにしたコンパクトサイズの家電ではないということ。これまでにも、新生活向けの家電として安価なものはそれなりにありましたが、それとは違うのですよね。ファミリー向けで人気があり、プレミアム感もそなえたものを、小型化しているところがポイントなのです。機能もデザインも高水準でありながら、ターゲットはシングルもしくはディンクスのような少人数世帯。少しずつ広まりつつありますが、まだまだ始まったばかり。これから、いっそうこの視点での家電づくりは広まると思われます。

そして、もう1つ。こうした『個』をターゲットにしたものというのは、家族の中で暮らしていたとしても存在するのですよね。

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昨年6月に都内で開催された小泉成器の展示会では「じぶん食」ということが大きなテーマとなって提案されていました。同社はメーカーとしての立ち位置だけでなく、海外家電メーカーをはじめとするさまざまなメーカーの卸も兼業しているため、メーカーの垣根をこえた展示が可能です。

そこで提案されていた「じぶん食」の中には、もちろん一人暮らしをターゲットにしたものもありますが、たとえば社会人になったOLが家族と同居している場合、帰り時間がまちまちで食事が一緒でなかったりすることが多々あります。そうした事例の場合、暮らしぶりは一人暮らしと変わらないのですよね。同居する母親が多少は食事の用意をしてくれているかもしれないけれど、基本的には自分で用意をする。ダイエット中だから、自分専用の食事にしたいという人も案外多いかもしれません。

つまり、住まいがどうであれ、今後ますます増えてくるのが「じぶん食」。昨年、6月に発売されたパナソニックのファミリー向けの高級オーブンレンジ「三ツ星ビストロ」でも、自動メニューの人数設定が、これまでの2人・4人分から1人、2人、3人、4人分とバリエーションが増えていたのが印象的です。発表会の商品説明の際にも「4人暮らしの家庭でも、お父さんの分だけ後から調理する場合、3人+1人になりますし、塾に行くお子さんがいる場合は1人+2人+1人という流れで調理をする家庭もあります」という話がありました。

これまではまとめて作って個々に温めていたものが、よりおいしい“出来立て”を食べられるような設定に変わってきているのが興味深いと思います。私たちの暮らしの変化に合わせて、食品も家電も少しずつ変わってきているのですね。

まだまだ、こうした「生活者のニーズ」を掘り起こしていくと、ものづくりの金塊は眠っているような気がします。

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と、ここで思い起こされるのが、シャープが2005年に発売し、その後姿を消してしまった、コンパクトな食器洗い乾燥機QR-SC1のこと。シャープは「塩で洗う」という目新しいコンセプトの食洗機を前モデルから投入していて、そのキャッチコピーが「なべピカさらピカ」でした。

この「塩で洗う」というのは、専用のボックスにいつも使っている市販の塩を入れて食洗機にセットしておくもので、イオン交換システムにより、水道水を洗浄時には「汚れを落としやすい硬水」にし、すすぎの際にはすすぎに強い「軟水」にする仕組み。一度塩をセットしておけば、その都度、投入しなくてもすみ、市販の食洗機用の洗剤を使うコースも選択できるようになっています。

「塩」で洗うという発想もおもしろいですし、そこに注目が集まったかと思いますが、私が復活してほしいと思っているのは、この「なべピカさらピカ」の最後のモデルとなるものが、幅45cm×奥行29cm×高さ46cmとコンパクトで、現在人気が集まっているパナソニックのプチ食洗(幅47cm×奥行29cm×高さ46cm)とほぼ同じだということなのですよね。幅なんてプチ食洗よりも1センチ小さいくらいです。洗える食器点数が25点。2人用のコンパクトな食洗機として売り出し、赤いカラーが食洗機としては斬新でした。

でも、2005年の段階では、まだ早かったのでしょうね。というより、訴求の仕方が足りなかったのかもしれません。パナソニックの「水切りかごサイズ」というような分かりやすい表現だったら、もう少し世の中に伝わりやすかったのかなとも思います。それにパナソニックは前年「プチドラム」を投入し、その成功をふまえての「プチ食洗」の投入だったわけですし、その2〜3年前から『ナイトカラーシリーズ』を投入して、夜家事という言葉やアラサーアラフォー世代に向けた家電を『群』で展開していたことを考えると、用意周到だったなと思います。

実は、シャープさんには数年前に「塩で洗うコンパクトな食洗機があったはずだけれど、再び、あれを復活させれば売れるのではないか」と提案したことがあります。でも、テレビ全盛期、AQUOSが売れていた時代ですし、まだ「プチ家電」の潮流が見えるか見えないか・・・の時期だったので、「白物の展開は売れるものだけに絞っていく」ということだったのですよね。でも、昨年、スロージューサーや炊飯器など、再び白物へ注力し始めたのですから、ここでぜひあの食洗機をバージョンアップさせて復活させてほしいと願っています。当時、コンパクトタイプのほうは素材感が少々チープだったようなので、デザインなどにプレミアム感を高めてもらって、赤の色もヘルシオカラーに合わせたら、きっと素敵なものになるような気がします。

家電に限りませんが、時期尚早だったり、提案力が足りなかったりしたために製品のコンセプトは決して悪くない(むしろ、斬新で着目すべきところがある)のに、『売れなかったから』と早々、市場から姿を消してしまうものがあります。でも、これはとても残念なこと。新しい手法を探ることも大切かもしれませんが、案外、過去に遡って製品を見直してみるのも大切なのではと思えてなりません。シャープの食洗機復活、ぜひ!


2013年01月11日

レンジグリル「ZITANG」で作るヘルシーカレー

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

一昨日の記事「目指せ!ロングセラー〜2代目レンジグリル「ZITANG」は“超完成品”」はずいぶん反響があり、Facebookでも「マイナーチェンジをしてでも新製品をどんどん投入しなければならないのは、メーカー側がエンドユーザーを見据えてではなく、家電量販店などの売り手を最優先させているからで、でも現状では仕方ないのかも」などの意見が寄せられました。マイナーチェンジが決して悪いのではないけれど、ロングセラーが生まれてもいいのにという気持ちと、いいものを長く愛用していくという文化が生まれてもいいのではという意見も多く、まだまだ考えてみたいテーマだなと思っています。

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さて、そのレンジグリル「ZITANG」の2代目、RG-GS1のメニューブックでもイチオシという「鶏とたっぷり野菜の簡単カレー」のことを今日はご紹介したいと思います。

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これが3人分の材料。鶏胸肉には小麦粉をまぶしておきます。そのほかの材料はなす1本、トマト2個、エリンギ小ぶりのものを2本、玉ねぎ1/2個、パプリカ1/2個、ニンニク、ショウガ、セロリを10cmくらい。調味料は塩小さじ1/2、カレー粉大さじ1.5杯、コンソメ(顆粒状)大さじ1.5杯、砂糖小さじ1杯、コショウ。

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これらを全部混ぜ合わせて深めの耐熱容器に入れます。

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角皿にのせてレンジグリルへ。

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これはすでに動き始めてから撮った写真ですが、手動「レンジ10分」⇒「グリル8分」にセットしてスタートボタンを押します。

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これが18分経過して取り出したときの様子。カレーに見えない?確かに、この段階ではカレーっぽくないんですが、全体をかき混ぜているうちにとろみがついてちょっとラタトゥイユっぽいカレーになります。

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油が多く含まれている市販のルーを全く使わず、材料を器に入れてかき混ぜるだけでカレーが出来てしまうなんて、ちょっとびっくり。

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見た目の色が薄いので、辛さが足りないのではないか、味も薄いんじゃないかと思って試食したのですが、これが思いの外、しっかりとした味で、辛さもほどよいんですね。なす、トマト、玉ねぎ、セロリ、パプリカという5つの野菜のバランスが絶妙。カレー粉の量を増やしたり、トマト多めにするとか、他のキノコも加えるなどアレンジがきくと思います。

自動メニュー以外のレシピの場合、材料を増やした場合は、「レンジ」の時間を多めにし、「グリル」の時間は変えないほうがいいようです。

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わが家で人気の超簡単レシピは、唐揚げ用の鶏肉を、ドレッシング(しょうゆでも中華風でも何でもOK。家にあるものを使います)に漬けておいて、それをレンジグリルで自動調理するだけ。から揚げ粉すら使わないので、粉っぽくないし、焼きとりっぽい仕上がりです。これをレタスの上におき、茹でた野菜や茹で卵と一緒にサラダ仕立てで食べるのがお気に入り。

鶏肉をドレッシングに漬けておくのは、下味がつくだけでなく、「マリネ」することで肉が柔らかくジューシーに仕上がるんですね。でも、余分な脂分は落ちているからヘルシー。レンジ加熱だけでは皮の部分がカリッとしないけれど、焦げ目がちゃんとつくのがレンジグリル調理のいいところだと思います。


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【御礼】

ちょうどこの記事で「Sallyの家電研究室」は800記事目となりました。毎日たくさんの方が訪れてくださることが励みになって、続けていられることを感謝しています。メディア出演や掲載のお知らせ記事が多くなりがちですが、今年は質も量ももっと高めていきたいと決意を新たにしています。

秋までに1000記事達成が目標です。これからもどうかよろしくお願いいたします!




【MonoMax2月号】目利きの欲しいモノ

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Mono Max (モノ・マックス) 2013年 02月号

こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

発売したばかりの宝島社「MonoMax」2月号の特集内「目利きの欲しいモノ」にちょっとだけ登場しています。アンケートにはたくさん答えたのですが、私とかぶっている人も多く、そちらを優先させたものもあって、最後のほうにキッチン家電のボダム「BISTROトースター」が紹介されました。

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これは、昨年秋に、Penのコラムでデンマークのキッチン&家電メーカーの「ボダム」のコーヒーグラインダーを取り上げ、自宅でもずっと愛用中なのですが、それに合わせてポップアップトースターも欲しいなと思っているのです。

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これまで挽いた豆を買うことが多かったけれど、グラインダーを使うようになったので好きな豆をそのまま購入。写真にあるようなフレンチプレスで淹れることもあれば、ペーパーフィルターでドリップすることもあります。淹れ方に合わせて挽き方を調整できるし、何よりデザインが素敵で気に入っています。

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なので、こちらも同じライムグリーンカラーのものでそろえたいなあと考えています。トーストはオーブンレンジのトースター機能よりも、オーブントースターよりも、やっぱりポップアップトースターのほうが早いし、美味しく焼けますものね。

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今号の「MonoMax」の附録はSHIPSとコラボレーションによる長財布。パスポートケースとしても、メモパッドや文房具などを入れて持ち歩く仕事用のクラッチとしても使える優れものです。前号のコーチの万年筆付きの記念号は、23万部が完売だったとか。さすがモノ雑誌ナンバー1を誇るだけありますね。座談会企画にお声をかけてくださったご縁で、こうした若者向けのモノ雑誌にも登場させていただき、ありがたく思っています。これから「あ、神原サリーが載ってる」と覚えてもらえるくらいに、もっともっと頑張らなくてはいけないなとも。発信力も人間としての魅力も高めないといけませんね。がんばります。




2013年01月09日

目指せ!ロングセラー〜2代目レンジグリル「ZITANG」は“超完成品”

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

昨日、某誌の企画で「型落ち家電についての座談会」に参加してきました。私以外は黒モノに詳しい男性諸氏でとても勉強になりました。詳しい内容については後日発売される誌面にゆずるとして、座談会の最後に話題になったのが、「そもそも、おすすめの型落ち家電ランキングなんていうものが存在するのは、家電に限らないことだけれど『マイナーチェンジ商法』ともいうべきものが、当たり前になっているからだ」ということでした。

前年モデルを少しだけ改良して新製品を出すことで、価格の下落を防いでいるのだし、市場も活性化しないので仕方ないとはいえ、そろそろ日本の家電にも「ロングセラー」ともいうべき揺るぎない人気の魅力ある製品が出てきてもいいのではないかと。3年待てば画期的な新製品が登場するのなら焦る必要はないし、すでに確立している製品なら、ムダなマイナーチェンジなどしないで、自信を持ってそれを売り続ければいいのではという話で盛り上がったのでした。

と、ここで思い出すのは、三菱電機のレンジグリル「ZITANG(ジタング)」のこと。この製品は一昨年(2011年)の5月に発売されましたが、当時言われていたのは「三菱はもうオーブンレンジから撤退か」ということ。なぜなら、このZITANGを出すまで4年間もオーブンレンジの新製品を出していなかったからです。シャープがヘルシオを出して以来、オーブンレンジ市場はスチームや過熱水蒸気を使った健康調理や、高温でのオーブン調理など、どんどん機能が追加されていって、容量も大きく多機能で高価なものになっていきました。そして、目指すところが一緒だったため、どのメーカーのオーブンレンジも似たようなフルスペックのものになってしまったのが、2007〜2008年のこと。三菱の最後のオーブンレンジ「石焼厨房」もオーブン機能が素晴らしく、名品だったと思っていますが、消費者にとってはその違いがわかりにくく、実際のところ、毎日使うのはレンジ機能だけだったりするのが現状だったのですよね。

そこに気づいた三菱電機の開発チームが目指したのが、「毎日使ってもらえる調理家電」。つまり温め機能であるレンジのように気軽に使えるけれど、本格的な健康調理もできる画期的なもの。しかも面倒な予熱は極力なくし、“時短調理”を可能にしたい・・・と。

紆余曲折の末、4年の歳月をかけて誕生したのが、新た発想の調理家電「レンジグリル」。レンジで調理してから自動でグリルに切り換わるという、これまでにありそうでなかった機能を搭載しているため、普通のオーブン調理のように、「外側が焦げているのに中はまだ火が通っていない」とか、「予熱の含めて調理時間が長過ぎる」ということがありません。最初にレンジで食材の芯から火を通してから外側をグリル調理するので失敗がないんですね。しかも、センサーで火の通り具合を検知して火が通った段階でグリルへと移行するため、面倒なメニュー設定をせずに「レンジ⇒グリル」ボタンを押して「スタート」を押すだけで、自動で調理することができるという簡単さ。メニューブックにそって手動で設定する場合も操作は本当に簡単です。

4年間新製品を出さないという判断には、辛いものがあったかもしれませんが、そのおかげで使いやすい画期的な製品が生まれたのですから、素晴らしいと思います。

そんなレンジグリル「ZITANG」ですが、初代のRG-FS1の登場から1年半を経た昨年11月に、2代目であるRG-GS1が発売されました。見た目はまったく同じ。初代機がレッドとブラックの2色だったのが、レッドとホワイトのカラバリに変わっただけです。

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三菱は高級炊飯器「本炭釜」で、炊飯器には珍しかった「黒」を投入して人気を博し、今でも蒸気レスIHの人気カラーの1つとしてブラックがあるので、カラーを合わせるという意味ではブラックにも思い入れがあったのではと推察しますが、赤が人気だったシャープのヘルシオも近年はホワイトの人気が高いようなので、今回、ブラックをやめてホワイトにチェンジしたのは賢明な判断だったかなと思います。

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今回、超マイナーチェンジをしたレンジグリルの2代目を出したのは、三菱電機によると、次のような理由によるものだといいます。購入者アンケートなどの評価では、「スチーム機能がないため、庫内が濡れないしタンク等のお手入れも不要で使いやすい」「2段調理機能はないが、角皿の置き場所にも困らないし、そもそも2段調理の必要性を感じない」「メニュー番号がなく、操作が簡単で電子レンジ感覚で使える」と、シンプルな機能が好評だったものの、不満点として上の円グラフのように「メニューブック」と「角皿・角網」の使い勝手がいまひとつという結果になったとのこと。

上記の2点の改良ほか、より効率的にムラなく加熱して調理時間の短縮を図りたいという技術者たちの思いがあって、2代目の開発へと向かっていったといいます。

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技術的な面では、レンジ使用時に食材の置かれていないムダな場所を加熱しまうという『加熱ロス』を低減すべく、改良を図ったとのこと。

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またグリル時間を短縮するために、庫内の奥についている『コンベクションファン』を大型化して風量をアップさせています。

この2点については、見た目には何も変わっていない点ですが、実際に使い比べてみると、バージョンアップされたことがわかるのでしょうね。

角皿と網ですが、これについては私も初代機を愛用しているので、「網をひっくり返した時に角皿の凹みにきっちりと収まると、網目にこびりついた汚れが水に浸かって落としやすいのにな」と思っていました。

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わかります?ひっくり返した時に、網の面のほうが微妙に大きいために、角皿の凹みに浸からないのです。だから洗いにくいんですね。

それが新モデルではちゃんと改良されています。

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ほらね。ものごくマイナーチェンジかもしれませんが、「かゆいところに手が届く改良点」。ここに目をつけてくれた三菱チーム、素晴らしいです。

そしてもう1点、改良してほしいと要望の多かったというメニューブックですが、こちらもぐんと見やすく、充実した内容になっています。

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人気のヘルシーメニューが冒頭にきていて、「自動」でOKのメニューにはオレンジの「自動」マークがついてわかりやすくなりました。

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同じスペアリブのページで比べてみましょう。

上が初代のメニューブックで下が2代目。同じ写真を使っていますが、作り方などの文字が大きくなり、カロリー表示もされています。初代のメニューブックでは画像の上に白ヌキ文字で表示しているものが多くて、かなり読みづらいものがあったのですが、それもなくなり、年配の方でも読みやすくなりました。

というわけで、4年の歳月を経て新製品を開発し、それを改良した2代目を1年半後に出した三菱「ZITANG」。私としては、もうこれは『完成品』と言っていいのではないかと思っています。今後、あらたなメニュー提案を増やしていくとしても、メニューブックはバインダーになっていて、カードを増やしていけるようになっているので、同社のサイトをそのまま印刷するとちょうどよい大きさになるなど、サイトでの工夫をすればいいことでしょう。

冒頭で「家電にもロングセラー商品を」と述べたように、ここまで完成された製品なのですから、今後はじわりじわりとファンを増やして、ずっとこのRG-GS1を販売し続けていってほしいなと思うのです。

そしてむやみに価格を下げ続けず、いいものを適正価格で販売し、長く愛用できる家電であってほしいなと。

長くなりましたので、2代目レンジグリルRG-GS1でのイチオシメニュー「鶏とたっぷり野菜の簡単カレー」については、次の記事でご紹介しますね。






2013年01月08日

【GoodsPress2013年2月号】パナソニックのルームエアコンXシリーズは暖房に強い!

goodspress.JPGこんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

徳間書店発行「GoodsPress」2月号、P76〜77の見開きページで、ライター仕事をしました。排熱をリサイクルする「エネチャージシステム」によるパワフルかつスピーディな暖房が特長のパナソニックのルームエアコンXシリーズの紹介ページです。

パナソニックは雪国でもしっかりと暖められる暖房能力や、エコナビなどによる省エネ性をアピールするために、2012年2月に「さっぽろ雪まつり」にブースを作ってハワイから来日したダンサーたちが裸足でダンスを披露しました。この冬も2月5日から開催される雪まつりにエアコンの体感ブースを設ける予定だとか。真冬の札幌でハワイを体験できるとは、ちょっと驚きです。

というわけで、エネチャージの仕組みや2012年に登場した新モデルならではのエコナビと新フラップのこと、そしてスマホとの連携などについて、詳しく誌面でご紹介しています。

ちなみに、今号の特集企画は「今年こそ本気で始めたい!夢中になれる大人の趣味」。多岐にわたって紹介されていて、誰でも2〜3つは興味のあるものが見つかりそうで楽しいページになっています。「家風呂極楽化計画」のページも、今の季節必読ですよ。

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2013年01月07日

これぞスマートハウスの第一歩!これからは家電の自動オン機能や連動が当たり前に

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

昨年末、12月27日の産経ニュースで、空気清浄機 今年も好調 ウイルス発生前に加湿 脱臭もと報じられました。空気清浄機市場としては、私自身が感じているのは、バルミューダの「JetClean(ジェットクリーン)」やエクレアの「カドー」など、加湿機能なしで空気清浄そのものの本質を追究した新規参入メーカーの製品の完成度の高さですが、冬特有のウイルス対策となると、加湿機能付きというのも見逃せないところです。

現在、空気清浄機市場で大きなシェアを占めているのはシャープです。アカデミックマーケティングの成功もあり、同社ならではのイオン放出機能、プラズマクラスターに注目が集まっていますが、昨年秋に打ち出したのは、一歩先をいく「エアコンと加湿空気清浄機の連動運転」。

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シャープの発表会で、現在の室内環境における3つの注意点として次の3つが挙げられました。

・節電熱中症・・・節電要請に対し、冷房を我慢して脱水症状から発生する室内での熱中症が増加
・ウイルスの活発化・・・室内の乾燥により、ウイルスが生存しやすい環境になりがち
・空気の汚れ・・・住宅の高気密化でニオイやアレル物質が増加

この3つの問題点を解決するために、シャープでは、11月に発売したエアコンC-EXシリーズに「高温みはり」機能をつけています。

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熱中症予防指数と連動し、高温・高湿になると光や音で知らせたり、扇風機モード(送風運転)や冷房運転を自動で開始する設定も可能にしています。これは、ダイキンが昨年4月に発売を開始したエアコン「ラクエア」と同じコンセプトですね。

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これがC-EXシリーズのリモコン。シンプルに配置されたボタン部分を開けてみると、「みはり」というオレンジボタンがあり、これによって、「お知らせだけなのか、自動でオンまでするのか」を設定できる仕組みになっています。

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エアコンの右側にボタンがあり、ここに室内の状況やエアコンの運転状況がランプで表示されます。

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では、次の注意すべきポイント「ウイルスの活発化」についてはどんな対策が用意されているのでしょう。

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こちらもウイルスが生存しやすい湿度と温度の数値をもとに、乾燥をみはり、暖房時にはウイルスの生存しやすい環境かどうかを光と音で知らせてくれる仕組みです。

ただし、エアコンで室温を高くすることはできても、加湿することはできませんよね。そこで、今回、新たに提案されたのが、同社の加湿空気清浄機「KI-BX85」との連動運転。エアコンの暖房運転に合わせて加湿空気清浄機が連動運転を開始し、ウイルスの発生しやすい乾燥・低湿度の状況を防ぐというわけ。エアコンの外気温・室温・湿度センサーで結露を予測して、加湿空気清浄機の加湿運転をコントロールする機能もあるため、結露の防止にも役立つといいます。

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空気の汚れについても、空気清浄機との併用で強化されますし、ハウスダストや花粉、気になるニオイなど空気の汚れを60分間集中浄化する「スピード吸じん運転」モードも備えています。

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これまでエアコンはエアコンだけ、空気清浄機は空気清浄機だけの運転のものばかりで、どのように組み合わせて使えば効果的なのか、連動する機能を同時開発したりはしないのか・・・と気になっていたのですが、ようやく次のステップにきたのですね。

昨年10月に開催されたCEATECでも、HEMSによる家全体の電力制御を行なう『スマートハウス』が大きなテーマになっていましたが、省エネや節電のための電力制御の考え方はもはや当たり前。次に目指すのは、どれだけ家電同士が連携して、より快適に便利に暮らせるかどうかではないでしょうか。熱中症予防のための「エアコンの自動オン」機能や、「エアコンと空気清浄機の連動運転」は、こうした『スマートハウス』の第一歩なのだと思います。

とはいえ、今回のシャープの試みも、連携するエアコンがスタンダードタイプのC-EXシリーズと、フラグシップモデルの加湿空気清浄機KI-BX85(←発売開始時の想定売価はなんと9万5000円!)という、ちぐはぐさ。「2012年秋に発表されたすべての空気清浄機に実はこうした連携機能がついているのです」というような発表があったのなら、よかったのですけれどね。でも、まずは第一歩。何もしないよりはずっといいのかなと。


2013年はこうした家電同士の連動や、組み合わせて使った際の上手な使い方提案のようなものも、もっと充実していくように願っています。

【追記】
同じく、シャープの加湿空気清浄機をテーマに、別宅「神原サリーの顧客視点マーケティング」のほうにも1つ記事を書きました。こちらはマーケティングの観点からまとめています。併せて、お読みいただけると幸いです。

2013年01月05日

2013年の家電動向はどうなる?〜神原サリーの家電トレンド大胆予測!

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あけましておめでとうございます。
本年も変わらぬご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

寒さの厳しい年明けとなりましたね。皆さまどんな新年をお迎えでしょうか。私は12月29日〜1月3日までお休みをいただき、のんびりと過ごさせていただきました。上の写真は、仕事始めとなった1月4日の銀座・並木通りの夕方の様子です。年末にはクリスマスの飾りつけできらびやかだった街灯も新年仕様で、まだ街全体がお正月モード。働いている人よりも、ショッピングなどに訪れている人のほうが多いようでした。ちなみに、右斜め後ろに見えるビルが、「銀座風月堂ビル」。ここの5階に「神原サリー事務所」があります。

たくさんの年賀状をいただき、あらためまして感謝の気持ちでいっぱいです。私は年末ぎりぎりまで多忙をきわめていたこともあり、年賀状は失礼させていただき、寒中見舞いの形で、後ほど、ご挨拶しようと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、新年最初のご挨拶になりますし、今日は、2013年の家電動向について、私なりの大胆予測をしてみようかなと思います。家電といっても、テレビやレコーダー、スマートフォン関連などは、管轄外となりますので、あくまでも白物家電や、美容・健康家電限定での予測です。


<ターゲットはファミリーから少人数世帯へ>
パナソニックの「プチドラム」が2011年3月に発表されたのを皮切りに、「プチ家電」の名称で広がり始めた“小型でプレミアムな家電”の傾向は、もっと高まるのではないでしょうか。これまで、シングルをターゲットにした家電というのは、「とりあえず使えればいい」「最低限の予算でそろえるもの」というイメージのものが多かったわけですが、30〜40代のシングル層もしくは、ディンクスをターゲットにした、大きすぎず、使いやすく、でも、高機能な家電にますます注目が集まるように思います。

その背景にあるのは、こうした人たちも「家で過ごす時間を大切にする」ようになっていること。単に内食傾向というのではなく、居心地のよい空間を作りたいと思っている人が多いように思います。『食』重点主義の人なら、小型だけれど性能がよく、ヘルシー調理のできるオーブンレンジホームベーカリー、スチームクッカー、さらには昨年末にいろいろなテレビ番組で取り上げられていて注目を浴びているフィリップスの「エアフライヤー」などのようなもの。

おいしく健康的な料理が簡単に作れて、誰かを招いたときにも話題になるような調理家電を持っていることが、自慢できるようなものが広まるように思います。そのためにも、多機能よりは1つのポイントにしぼったもの、そして何より、デザイン性についても、日本のメーカーはもっとブラッシュアップしていかないと海外家電にますます押され気味になってしまうのではないでしょうか。

そうそう、私も昨年秋から愛用していますが、ワインセラーも手ごろな価格のものがずいぶん出てきていて、ますます広がるのではと予測しています。冷蔵庫だとどうしても冷やし過ぎになってしまうので、専用のワインセラーがあると便利だし、何より、安価なワインでも“セラーから出す”ことで気分が上がります。

『食』には手間暇かけなくてよいけれど、清潔で居心地のよい部屋に住まうことに重点を置きたい人なら、掃除機や空気清浄機、アロマディフューザーなどによりよいものを探すことでしょう。小型のロボット掃除機や、コードレスのスティッククリーナー、コンパクトで使いやすい掃除機、部屋に置いておいて目障りでない空気清浄機などの需要はますます高まるに違いありません。このあたりが進むと“住まいと家電の融合”にもつながりますね。

ここでもう1つ、忘れてならないのは、小型でプレミアムな家電を望む30〜40代の人たちの“親世代”のこと。こちらも、子育てを終了しており、再び夫婦もしくはシングル(離婚している人も増えていますからね)で暮らしている世代なのですよね。息子や娘たちが使っているのを見て、「それ、いいじゃない」と思う人は多くいることでしょうし、実は望んでいることは同じだったりしますから。卓上で使えるIH調理器のようなものも、火を使わない安全性という点で今後、伸びシロのある分野だと思っています。キッチンで調理せずに、食卓で調理しながら食べるという暮らしは、何も子どもたちを交えたパーティに限ったことではなく、今後は年配の人たちの間でも広がってもよいように思います(みんなで集うのでなく、たとえ1人で食べるのであっても)。

最後に、冷蔵庫あたりも、省スペース&大容量化&省エネの流れの先にあるのは、300〜400Lでも省エネ性が高く、デザイン性に優れたものかもしれません。昨年秋に発表されたハイアールのガラストップドアのものに代表されるような、4人家族向けではないコンパクトサイズで、でもプレミアムなもの。まだ、市場にはほとんどないですものね。

<美容家電はお悩み&パーツ別に細分化>
続いて、ここのところ勢いのある美容家電について。2010年の美容家電市場は約1200億円規模でしたが、2013年の予測は1540億円にも達する見込みとのこと。予測が2011年のものなので、たぶん現状ではこれを上回るものになるのではないでしょうか。

すでに、昨年秋以降、ここでも何回かお話ししていますが、美容家電の大きな特徴として多機能なものから、お悩み別もしくはパーツ別に細分化されて、価格にも値ごろ感のあるものが増えてくるでしょう。これまで、美容家電を使っている人は、比較的所得の高い層と言われてきましたが、「モバイルビューティー(モバビュー・モバビ)」の登場以降、世代もグッと下がり誰でもが試してみることができるようなポピュラーなものに変わってきています。

とはいえ、都心の家電量販店のビューティー家電コーナーでは、お試しコーナーも充実してきていて、スタッフのアドバイスも行きとどいていますが、まだまだ全国的に広まっているかというとそこまで行っていないのが現状です。目元、口元、乾燥・・・など気になるところだけでも、手ごろな価格の美容家電を使って効果のほどを試してみたいというのが、女性たちの本音。だとすると、プチプライスで買える美容家電というのはこれからますます広がるのではと思います。もちろん女性だけでなく、さらに広がりそうなのが男性用の美容家電。美容面はもちろんのこと、リラックスやリフレッシュという側面からも幅広い世代に広がりそうですね。

※今後、美容家電分野は化粧品メーカーとのタッグを組んで製品開発を行なうというようなことも、広がるのでしょうね。独自で開発した専用の美容液などを使わないといけないものの場合、ハード面については興味があっても、併用する美容液に対する信頼性の有無によって購入意欲が大きく変わってきますから。

もう1つ、昨年ドイツで開催されたIFAの会場でパナソニックが、美容家電のコーナーを広く取っていたことが印象に残っています。ドライヤーやスチーマーをはじめ、こんなにも美容家電が浸透してきているのは日本ならでは。今後、“信頼性のある”日本のメーカーの美容家電というのは、海外展開を真剣に考えてもよい分野なのではないでしょうか。

<健康家電もまだまだ伸びる!>
2012年に白物家電以外で私が精力的に取材を重ねて、追いかけていたものといえば、電動アシスト自転車やマッサージチェア、活動量計や体組成計などのいわゆる“健康家電”にカテゴライズできるものたちです。そのほか、睡眠改善インストラクター資格をとったこともあり、さくら色LED照明や眠り時計など「ねむり」や「快眠」に関する分野も見逃せません。

こうした健康家電の分野は引き続き、目を離せないなと感じています。電動アシスト自転車については、すでに値ごろ感のあるPB商品も出てきていますし、製品のラインアップが増えて、価格帯が下がることで、今まで以上に市場が活性化することでしょう。まだまだ試したことのない人が多く、その乗り心地を知らない人ばかりなので、試乗の機会をどれだけ増やすかが、顧客をつかむ鍵になるはず。とても楽しみです。それにしても、私が子育てしている時代にこんな電動アシスト自転車があったらなあと思わずにいられません。

活動量計や体組成計、眠り時計のようなものは、毎日の記録をいかに残して、日ごろの生活習慣の改善に結び付けられるかどうかがポイントになります。そういう意味で、データをスマートフォンに転送できたり、PCやクラウドで管理できたりという機能のあるものはとても魅力的ですね。

昨年末から、パナソニックの健康家電をスマホのアプリと連動させて、設定を行なったり、数値の管理をしたり・・・と使ってみていますが、スマホ側で設定ができるのは本当に便利なものです。また、スマホでタッチするだけで、数値がグラフ化できたりというのも、実際にやってみて「なるほど、これは便利だな」と実感しています。あとは、活動量計と体組成計の数値の連携などさらにアプリが進んで、「筋肉量が増えてきているのは、毎日の運動量が増えているからですね。筋肉量が増えると代謝がアップしてダイエットにも効果的ですよ」などのようなアドバイスが出るようになるといいのではと思っています。

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<これからの家電のキーワードは『カスタマイズ化』>
最後に2013年のトレンド予測というよりは、その先も見据えて、家電の未来を考えてみたいと思います。冒頭で述べた「ターゲットは少人数世帯へ」というところにも通じますが、これからは多機能ではなく、ポイントをしぼったものが望まれるはずだと考えます。でも、そのポイントというのは、ライフスタイルや好みによって変わってくるもの。だとすると、家電にも必要とされているのは、個々の必要性は好みに応じた『カスタマイズ化』ではないでしょうか。

スマートフォンがこれだけ短期間で広まった理由は、「自分の好きなアプリをダウンロードして自分仕様にできること」なのだと思います。たとえば、同じiPhone5を持っていて、見た目は同じに見えても、入れてあるアプリは百人百様。その使い方もそれぞれです。

生活家電も、デザインや機能において、今後はカスタマイズ化ができるようになったら、ずいぶん楽しく便利なのだろうなと思わずにいられません。そうした点では、2012年春に発売された三菱電機の蒸気レスIHの炊飯器は、15の炊きわけを可能にした点で「カスタマイズ化」の第一歩を踏み出した家電といえるでしょう。

日本の家電メーカーの未来を憂う声の多い昨今ですが、いつも私たちに“わくわくした楽しい未来”を与えて続けてくれた家電メーカーをこれからも応援していきたいですし、今年は商品企画等の面でももっとお手伝いをしていきたいと考えています。

2013年がよい年になりますように、心からお祈りしています。








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