2019年11月05日

家電のオーバースペック問題について考える〜私がこの2台の掃除機を愛する理由

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こんにちは。家電+ライフスタイルプロデューサーの神原サリーです。

先日、「家電のオーバースペック問題について考える〜エアコン編」という記事をここで書いたところ、ずいぶん反響がありました。必ずしもその製品を否定しているのではなくて、たぶん使う場所、使い方のマッチングや、出荷時の設定をどうするかということなのかもしれませんが、機能を詰め込み過ぎたり、一方向ばかりを見つめて(今回の例でいえば「省エネ」)ものづくりをすると、生活者が望んでいるものと乖離したものができてしまうのではないかなと思っています。

「技術を生かすための視点」を鍛えること、そして、本当の意味できちんと生活者に寄り添うことだと思います。なんだかね、「想像力の欠如」という言葉がぐるぐるしているのです。今回の記事に意見をくださった方からは「想像力を組織で持つことが難しくなっている」という声もありました。気づいているひとがいても、組織となったときにいつのまにかそれが消失してしまう。このあたりがうまく働く仕組みができるといいのになと思います。

さて、今日も引き続き、こんなオーバースペック問題について考えてみたいと思います。で、今回は掃除機。

いや、ダイソンのV11は本当に素晴らしいですし、シャープのラクティブエアパワーも軽いのにバッテリーが長持ちするし吸引パワーもすごいし、壁際にヘッドがつくとパワーアップされてきれいに吸い取るし、よく頑張っています。日立のコードレススティックもヘッドについているライトが便利だし、ごみも捨てやすいし、カーペットを掃除するときにも自走感がほどよくて軽やかです。でもね、やっぱり大きめのゴミは苦手です。


それで私が何を愛しているかというと、冒頭の画像のシャーク「エヴォパワープラス」。超コンパクトなのにパワフルなハンディクリーナーにフローリング用のアタッチメントがついたエヴォパワープラスは、目で見えているゴミの吸引力ならパワフルなコードレススティッククリーナーにも負けません。なまじ、創意工夫をし尽くした自走式のロールブラシなどが付いているから、かえって大きめのゴミを吸いにくくなっているのですね。確かに目に見えない微細なチリやホコリは吸い取ってくれるかもしれないけれど、今、目の前に見えているゴミを吸い取ってくれない悲しさと言ったら。

ミーレしかり、海外メーカーの掃除機の一般的なヘッドにはブラシも自走のためのモーターもついておらず、ポカンと口が開いているだけのものが多いです。もちろんカーペット用としてブラシ付きのものも付属していたりしますが、フローリングの床と階段に限るなら、軽くて大きなゴミもスイスイ吸い取るヘッドのほうが実は使い勝手がいいのでは?


とそこで、今更ながら思い当たったのが通販生活をはじめ、ある一定の人たちに圧倒的な人気を誇るマキタの掃除機。これこそがシャークのエヴォパワープラスの使い勝手の良さにいちばん似ていますよね。しかもエヴォパワープラスは本体とフローリング用の延長ノズルをプラスしても820gという軽さなのですから、マキタのコードレスのスティッククリーナーよりはるかに軽い。もちろん家中を掃除するのには流石におすすめしませんが、気になった時のササッと掃除なら本当にこれで十分。

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エヴォパワープラスのフローリング用延長ノズルをひっくり返してみるとこんなふうになっています。先端に溝があることで壁際の汚れも前方からきちんと吸い取りますし、ビロードのような横一列の部分が細かなほこりを集めつつ、床を傷めないように工夫されています。もちろん、この部分のお手入れは必要になりますが、目に見えている汚れ(繰り返して言います、ここ大事)がぐんぐんきれいになっていくのは本当に気持ちがよく、ストレスがたまりません。

ダストボックスは小さいけれど、ボタンを押すだけでポンとゴミが捨てられる便利さも群を抜いていますし、掃除のたびに捨てればいいだけのこと。自走式も回転ブラシもフローリングの床にはオーバースペックな気がしている私です。


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もう1つ、私が愛してやまない掃除機がケルヒャーのコードレスクリーナー「KB5」です。1.2sと軽量でコンパクト。女性でも指1本で持ち上がるほど軽いのです。自立する設計で部屋の隅に立てておいても気にならないシンプルなデザイン。スティッククリーナーを手に取る自然な動き(=スティックを手前に倒すとスイッチが入ります)で、手軽に使えて、しかも目で見えるゴミをきれいにしてくれます。

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こういう軽い紙ごみは普通のクリーナーは苦手ですが、KB5は大の得意。

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ゴミ捨ても脇からダストボックスを引き出すだけでOKとシンプルです。汚れたら丸ごと洗えばいいですしね。

ただし、このクリーナーはゴミを吸引するわけではなくて、ブラシでかき出して集める「電気ほうき&ちりとり」のような仕組みなので、メインの掃除機には不向きです。こぼしてしまったコーヒーの粉やお砂糖、子供が散らかした紙のゴミ、ペットの毛、砂ぼこり…そんな“今、ここにある汚れをきれいにしたい”というときにサッと使えて便利なのです。

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似たような製品がいくつかありますが、ケルヒャーのKB5は片側の端までブラシがついているから、取り残しが驚くほど少なく、ストレスなく掃除ができます。吸引しない分、排気もないですし、パワフルなモーターを積んでいるわけではないから1回の充電でかなり長い時間使えるのもうれしいポイントです。

アトリエにもこのKB5のホワイトのモデルが置いてあるのですが、取材に来られた方が、必ず「これ何ですか?」とたずね、ちょっと触ってみただけで感動されます。

これ1台でなんでもOKとはいいませんが、こうした視点の掃除機があってもいいですよね。