
こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと神原サリーです。
今週、来週は新製品発表会のラッシュで1日にいくつもハシゴしているため、インプットばかりでなかなか記事にできていなくてごめんなさい。月曜日の夕べ、上野の国立博物館・法隆寺宝物館で開催されたダイソン社のDC36は、「ダイソンのサイクロンクリーナーがますます日本をターゲットにした製品づくりにしてきているなあ」と実感でき、興味深いものとなりました。
ジェームズ・ダイソン自ら、プレゼンテーションを行ったDC36の最大の特長は、モーターもコードリールもすべて球状の本体に収め、低重心で安定感のある動きをする「ボールテクノロジー」。

こんな球体の中にすべて収めただけでなく、モーターそのものを再設計し、回転翼による音を軽減。さらにボール内に音や振動をする緩衝材を配置して、これまでよりも運転音を4dB小さくできたのだそうです。たった4dB?と思うかもしれませんが、これまで「運転音を気にするなんて・・・」と言い、メーカーによる正式なデシベル数を表記してこなかったダイソン社が、運転音の低減に力を注ぎ始めたのは注目に値すると思います。

これが、DC36のカットモデル。いやはや、私には球体の本体がまるで人間の頭のように見え、このカットモデルは脳みそをのぞいているような気持ちにさせられました。

ボールテクノロジーに加え、サイクロン部の下にはこうした「可動式連結部」があり、自在な動きに対応できるようになっています。
ボールテクノロジーによって、
360度即座に方向転換ができ、さらにはホース部分とつながる連結部が50度動くために、急な動きにも柔軟に対応。つまり
「引き回しがしやすい掃除機」なのです。
と、ここで思い出すのが、すでに市場からは消えてしまった三菱電機のラクルリ。これは球体ではありませんでしたが、本体が平たい円柱状になっており、
360度自在に動きがかえられ、ソファやテーブルなどが置いてある部屋でも、すいすいそれをすり抜けて移動できるという
「引き回しのしやすさ」が魅力のクリーナーでした。

※この「ラクルリ」の素晴らしさについては、「
亡き母にもし贈り物をするとしたら」という記事を2009年の母の日に、その後「
柴原珈琲店とラクルリと。」という追加記事を書いていますので、ぜひ。
うーん、三菱電機は引き回しの良さという“使い勝手”に徹したクリーナー「ラクルリ」シリーズを出した後、次に出してきたのが、“日本初、本当のサイクロン”である「風神」。つまり、思いっきりダイソン社を意識していたはずですが、一方のダイソン社は独自のサイクロンテクノロジーを進化させつつ、そこにプラスして日本人がのぞんでいる引き回しの良さという“使い勝手”を高めてきています。風神の使い勝手が悪いわけではないけれど、あの「ラクルリ」の精神、忘れてほしくないなあと思うのです。というか、ダイソンの目の付けどころ、すごいです。負けるな、日本のものづくり!
さて、本題に戻ってDC36のこと。

会場には、こんな絵が描いてありました。「思いどおりにコントロールできるから、テーブルにぶつかったり、無理に引っ張ったりしなくても大丈夫だよ」と。

プレゼンテーションでは「ボールテクノロジー」のことを中心に話が展開されていましたが、サイクロンテクノロジーの部分も、実は大きく変化していました。ラジアルルートサイクロンと呼ぶそうですが、紫の花びらのような部分の形状が変わり、放射線状に配置されたことによって、均等に空気が流れるようになり、エネルギーロスが低減されて、この部分のノイズの発生も小さくなったとのこと。さらに微細なホコリまで確実に分離されるようになっています。

それにより、上の「プレモーターフィルター」の水洗いが、従来の「2年に1回」から「4年に1回」に。それくらい、ここに来るまでにしっかりとゴミを分離しているということですね。

クリアビン(ダストカップ)内のメッシュ部分の素材も改良されています。

今回、発売されるのは3タイプ。
★ブルー:モーターヘッド ペットケア(グルーミングツールがついています)
★バイオレット:モーターヘッド
★オレンジ:タービンヘッド
超小型のDC26のカーボンブラシタイプ(後発のもの)と価格は同じです。
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ジェームズ・ダイソン氏のプレゼンの中で、いつものように日本のサイクロンクリーナーがいかにゴミをきちんと分離できていないか・・・について独自調査の結果を話していましたが、シャープ(2機種)、東芝、パナソニックのみで、三菱の「風神」が入っていなかったのはなぜかなと思いました。ぜひ、聞いてみたかったところです。
最後に、上野の法隆寺宝物館の展示の様子を1枚。

見えづらいかもしれませんが、水に浮かぶ、DC36の様子は日が落ちるにつれて幻想的で圧巻でした。
それにしても、どうしてここで?という私の疑問に、某編集部のWさんが「これは日本びいきのダイソン氏への、日本チームからのおもてなしでは?」との回答。なるほど!と思ったのでした。
posted by sally at 16:59|
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