
こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。
昨日、某誌の企画で「型落ち家電についての座談会」に参加してきました。私以外は黒モノに詳しい男性諸氏でとても勉強になりました。詳しい内容については後日発売される誌面にゆずるとして、座談会の最後に話題になったのが、「そもそも、おすすめの型落ち家電ランキングなんていうものが存在するのは、家電に限らないことだけれど『マイナーチェンジ商法』ともいうべきものが、当たり前になっているからだ」ということでした。
前年モデルを少しだけ改良して新製品を出すことで、価格の下落を防いでいるのだし、市場も活性化しないので仕方ないとはいえ、そろそろ日本の家電にも「ロングセラー」ともいうべき揺るぎない人気の魅力ある製品が出てきてもいいのではないかと。3年待てば画期的な新製品が登場するのなら焦る必要はないし、すでに確立している製品なら、ムダなマイナーチェンジなどしないで、自信を持ってそれを売り続ければいいのではという話で盛り上がったのでした。
と、ここで思い出すのは、三菱電機のレンジグリル「ZITANG(ジタング)」のこと。この製品は一昨年(2011年)の5月に発売されましたが、当時言われていたのは「三菱はもうオーブンレンジから撤退か」ということ。なぜなら、このZITANGを出すまで4年間もオーブンレンジの新製品を出していなかったからです。シャープがヘルシオを出して以来、オーブンレンジ市場はスチームや過熱水蒸気を使った健康調理や、高温でのオーブン調理など、どんどん機能が追加されていって、容量も大きく多機能で高価なものになっていきました。そして、目指すところが一緒だったため、どのメーカーのオーブンレンジも似たようなフルスペックのものになってしまったのが、2007〜2008年のこと。三菱の最後のオーブンレンジ「石焼厨房」もオーブン機能が素晴らしく、名品だったと思っていますが、消費者にとってはその違いがわかりにくく、実際のところ、毎日使うのはレンジ機能だけだったりするのが現状だったのですよね。
そこに気づいた三菱電機の開発チームが目指したのが、「毎日使ってもらえる調理家電」。つまり温め機能であるレンジのように気軽に使えるけれど、本格的な健康調理もできる画期的なもの。しかも面倒な予熱は極力なくし、“時短調理”を可能にしたい・・・と。
紆余曲折の末、4年の歳月をかけて誕生したのが、新た発想の調理家電「レンジグリル」。レンジで調理してから自動でグリルに切り換わるという、これまでにありそうでなかった機能を搭載しているため、普通のオーブン調理のように、「外側が焦げているのに中はまだ火が通っていない」とか、「予熱の含めて調理時間が長過ぎる」ということがありません。最初にレンジで食材の芯から火を通してから外側をグリル調理するので失敗がないんですね。しかも、センサーで火の通り具合を検知して火が通った段階でグリルへと移行するため、面倒なメニュー設定をせずに「レンジ⇒グリル」ボタンを押して「スタート」を押すだけで、自動で調理することができるという簡単さ。メニューブックにそって手動で設定する場合も操作は本当に簡単です。
4年間新製品を出さないという判断には、辛いものがあったかもしれませんが、そのおかげで使いやすい画期的な製品が生まれたのですから、素晴らしいと思います。
そんなレンジグリル「ZITANG」ですが、初代のRG-FS1の登場から1年半を経た昨年11月に、2代目である
RG-GS1が発売されました。見た目はまったく同じ。初代機がレッドとブラックの2色だったのが、レッドとホワイトのカラバリに変わっただけです。

三菱は高級炊飯器「本炭釜」で、炊飯器には珍しかった「黒」を投入して人気を博し、今でも蒸気レスIHの人気カラーの1つとしてブラックがあるので、カラーを合わせるという意味ではブラックにも思い入れがあったのではと推察しますが、赤が人気だったシャープのヘルシオも近年はホワイトの人気が高いようなので、今回、ブラックをやめてホワイトにチェンジしたのは賢明な判断だったかなと思います。

今回、超マイナーチェンジをしたレンジグリルの2代目を出したのは、三菱電機によると、次のような理由によるものだといいます。購入者アンケートなどの評価では、「スチーム機能がないため、庫内が濡れないしタンク等のお手入れも不要で使いやすい」「2段調理機能はないが、角皿の置き場所にも困らないし、そもそも2段調理の必要性を感じない」「メニュー番号がなく、操作が簡単で電子レンジ感覚で使える」と、シンプルな機能が好評だったものの、不満点として上の円グラフのように「メニューブック」と「角皿・角網」の使い勝手がいまひとつという結果になったとのこと。
上記の2点の改良ほか、より効率的にムラなく加熱して調理時間の短縮を図りたいという技術者たちの思いがあって、2代目の開発へと向かっていったといいます。

技術的な面では、レンジ使用時に食材の置かれていないムダな場所を加熱しまうという『加熱ロス』を低減すべく、改良を図ったとのこと。

またグリル時間を短縮するために、庫内の奥についている『コンベクションファン』を大型化して風量をアップさせています。
この2点については、見た目には何も変わっていない点ですが、実際に使い比べてみると、バージョンアップされたことがわかるのでしょうね。
角皿と網ですが、これについては私も初代機を愛用しているので、「網をひっくり返した時に角皿の凹みにきっちりと収まると、網目にこびりついた汚れが水に浸かって落としやすいのにな」と思っていました。


わかります?ひっくり返した時に、網の面のほうが微妙に大きいために、角皿の凹みに浸からないのです。だから洗いにくいんですね。
それが新モデルではちゃんと改良されています。

ほらね。ものごくマイナーチェンジかもしれませんが、「かゆいところに手が届く改良点」。ここに目をつけてくれた三菱チーム、素晴らしいです。
そしてもう1点、改良してほしいと要望の多かったというメニューブックですが、こちらもぐんと見やすく、充実した内容になっています。

人気のヘルシーメニューが冒頭にきていて、「自動」でOKのメニューにはオレンジの「自動」マークがついてわかりやすくなりました。

同じスペアリブのページで比べてみましょう。
上が初代のメニューブックで下が2代目。同じ写真を使っていますが、作り方などの文字が大きくなり、カロリー表示もされています。初代のメニューブックでは画像の上に白ヌキ文字で表示しているものが多くて、かなり読みづらいものがあったのですが、それもなくなり、年配の方でも読みやすくなりました。
というわけで、4年の歳月を経て新製品を開発し、それを改良した2代目を1年半後に出した三菱「ZITANG」。私としては、もうこれは『完成品』と言っていいのではないかと思っています。今後、あらたなメニュー提案を増やしていくとしても、メニューブックはバインダーになっていて、カードを増やしていけるようになっているので、同社のサイトをそのまま印刷するとちょうどよい大きさになるなど、サイトでの工夫をすればいいことでしょう。
冒頭で「家電にもロングセラー商品を」と述べたように、ここまで完成された製品なのですから、今後はじわりじわりとファンを増やして、ずっとこのRG-GS1を販売し続けていってほしいなと思うのです。
そしてむやみに価格を下げ続けず、いいものを適正価格で販売し、長く愛用できる家電であってほしいなと。
長くなりましたので、2代目レンジグリルRG-GS1でのイチオシメニュー「鶏とたっぷり野菜の簡単カレー」については、次の記事でご紹介しますね。