2013年05月23日

レンジグリル「ジタング」で作る豚キムチチーズ焼きそば

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

先日、デロンギのミニコンベクションオーブンで作った「豚バラ肉のチーズキムチ焼き」のことをご紹介したところ、とても反響がありました。わが家でも「されは美味しかったね!」と評判だったのですが、お借りしていたサンプル機をGW開けに返却してしまったので、何か他の調理家電で応用できないかなと思い、レンジグリルを使って応用編の料理を編み出しました。

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三菱のレンジグリル「ZITANG(ジタング)」といえば、おまかせで簡単に焼きそばが作れることを何回も紹介しています。で、この焼きそばに先の豚バラ肉のチーズキムチ焼きのレシピを応用したのです。

ジタングのセラミック各皿の上に焼きそばの麺を広げ、その上にキャベツや人参、ニラなどあり合わせの野菜をのせるところはいつも通り。野菜の上にスライスチーズを4枚重ならなうように並べ、さらに白菜キムチを薄くのせてから、一口大に切った豚バラ肉をみっしりとのせて塩コショウすれば準備完了。

「レンジ⇒グリル」ボタンを押して、焼き色の調節を「5」(もっとも濃く)してから、スタートボタンを押したら、あとは待つだけ。

麺3人分の上に野菜をたっぷりのせ、チーズにキムチ、そして豚肉が200gですから、かなりの分量。でも、レンジで熱を通してから、グリルで焼きつけに入るから失敗がないんですね。今日はだいたい20分くらいかかりましたが、分量を減らせば、もっと早く出来あがります。

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どうです? この焦げめ。いつもなら、焼き上がった段階でソースをかけて全体を混ぜ合わせますが、今回はキムチとチーズの塩気(味)がついているので、このままトングで取り分けて、ソースやマヨネーズなどを好みでかけて食べることにしました。

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野菜と麺にトロリとチーズがからみ、キムチの辛みとうまみが肉とあわさって、なかなかおいしい仕上がりに。息子はソースとマヨネーズを足していましたが、私はこのままで十分の味でした。

先日のコンベクションオーブンでの調理もそうでしたが、油を使わないからカロリーダウンできるし、肉などに焦げ目はつくものの、フライパンや鍋が焦げ付かないようにつきっきりでいなくてすむのが便利です。

いずれにしても、豚バラ肉+キムチ+チーズの組み合わせは絶品なので、ぜひお試しを。



2013年04月23日

デロンギのミニコンベクションオーブンで作った「豚バラ肉のチーズキムチ焼き」が絶品!

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

4月1日にデロンギから発売されたばかりのミニコンベクションオーブンをお借りしています。原稿に落とし込む前に、こちらでちょっと紹介しますね(お借りした媒体では、文章だけを担当するので料理写真などは入らないので)。

上の写真の左側に見えるのが、三菱電機のレンジグリル「ジタング」。キッチンに家電製品が多すぎて、リビングの窓際にある棚の上に並べて使っているわけですが、このデロンギのコンベクションオーブンは「世界最小」とうたっているだけあって、本当にコンパクトです。背の低い、ジタングと比べてみても、ご覧のとおりの小ささ。オーブントースター並みですね。

では、オーブントースターとはどこが違うのか? コンベクションオーブンというのは、ヒーターだけでなく「ファン」がついていて、庫内で熱対流を起こし、中までしっかりと火を通すことができるのです。だから直焦げをすることなく、仕上がり感がとてもいい。ただ、海外製品では大きいものも多いので、極限までコンパクトにしたのが、このミニコンベクションオーブンというわけ。小さくてもオーブン調理をするためのスペックはしっかりと備えた、優れものです。

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付属のレシピブック、分厚いわけではないのですが、「作ってみたい!」と思わせるメニューがいろいろあって、楽しいです。で、その中から、取材の際にも「おすすめメニュー」だと言われていた、「豚バラ肉のチーズキムチ焼き」を作ってみました。

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このミニコンベクションオーブンには、四角いトレーのほかに、肉を焼くと油が下に落ちるオイルプレートが付属しています。オイルプレートは波型の形状なっていて、穴がいくつか開いているもの。

このオイルプレートに豚肉を敷き詰め、まん中にスライスチーズを置き、その上にキムチを広げます(レシピブックには2人前の分量が載っていましたが、わが家は3人なので多めに並べています)。

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先ほどのキムチの上にチーズをのせ、左右の肉を折り畳むようにして包み込み、塩コショウします。

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下に敷いたトレーには、長ネギ2本分を斜め薄切りにしたものを敷き詰めます。

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後は、200度に設定し予熱したオーブンの上段に入れ、20分間焼くだけ。

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20分焼いて取り出したのがこれ。肉はカリッと焼け、中からチーズがとろりと溶けだしています。

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下に敷いた長ネギは、肉の油が加わり、20分掛けてじっくりと熱を通したため、驚くほど甘い!

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先ほどの肉を3等分に切って盛り付けたのがこれです。

最初、豚肉+チーズ+キムチの組み合わせがピンとこなかったのですが、いやはや絶品でした。

この料理をフライパンでやろうとすると、途中で一度ひっくり返さないといけません。そうするとたぶんチーズやキムチが飛び出して崩れたり、きれいにいかないと思うのですよね。焼き加減も気にしていないと焦げ付きそうです。

でも、これ、オーブンにおまかせで20分。20分なんて長過ぎると思います? その間にサラダを作り、お味噌汁を作り、切干大根の煮物を作ったら、あっという間に20分経ってしまいました。つまり、最初に肉の下ごしらえをして、オーブンに入れてしまえばいいということ。

このミニコンベクションオーブンはその名のとおり小さめなので、4人家族では辛いかもしれませんが1〜3人家族ならこれで十分。

今度は付属のピザストーンを使って、ピザを焼こうと思っています。



2013年02月24日

レンジグリル「ZITANG」で作るホットカプレーゼ

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

今日の夕飯にちょっと試してみて、おいしかったのでご紹介したいのが、「ホットカプレーゼ」。カプレーゼというのは、トマトとモッツァレラチーズ、バジルなどを合わせて、オリーブオイルをかけていただく、簡単だけどおいしいサラダですが、こう寒いとワインに合わせる時も、温かいものが食べたくなります。

それで、同じ材料を使って、焼きトマトみたいにすればおいしいんじゃないかと思ったのでした。

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使ったのはレンジグリル「ZITANG(ジタング)」。角皿の上にクッキングペーパーを敷いて、横半分に切った小ぶりのトマトの上に、市販のバジルペーストをのせ、その上にモッツァレラチーズをのせて準備OK。

それをレンジグリルで自動調理(グリル弱め)しただけなんですが、トマトは熱々でトロトロ、チーズがとろりと溶けて絶妙。食べるときは、ナイフとフォークを使ったほうがいいようです。

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食卓の上にそのまま出せたのも、角皿がホワイトだからこそ。あっという間に1人1個のトマトを食べてしまいました。

各皿にクッキングペーパーを敷くのをお忘れなく。とろけたチーズが流れても、クッキングペーパーを敷いておくときれいにはがれて食べやすいです。




2013年01月28日

コンパクトでおしゃれなエレクトロラックスの電子レンジが日本にやってきた!

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

最近、オーブン調理ならぬ、「オーブントースター活用術」のような、レシピが人気なのだそうですね。オーブントースターは価格も安いですし、予熱に時間もかからず、コツさえつかめば、気軽に調理できるということなのかもしれません。そんなオーブントースター派の人や、以前にもここでご紹介したようなデロンギのコンベクションオーブンのようなものを愛用している人にとって、温めや冷凍素材の解凍用に必要なのが、オーブン機能なしの「単機能電子レンジ」ではないでしょうか。

現在、日本の家電メーカーのものではパナソニックやシャープの製品が家電量販店の店頭に並んでいるかと思いますが、なんと海外家電メーカーのエレクトロラックスからデザインの素敵な電子レンジが発売されました。

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実は、海外ではその90%が単機能の電子レンジで、「オーブンレンジ」というものはないのですよね。しかも、基本的にはワット数(出力)を選んで、時間設定を自分でするという、いわゆる「手動」が普通なのです。

センサーで食材の様子を見張り、何でもオートで温めてもらうことに慣れている人には、「え?手動?」と思うかもしれませんが、使い慣れてしまえば、「ごはん1膳の温めなら、600Wで1分くらいかな」というように、だんだんわかってくるもの。オートで温めたものの、「温めすぎでかたくなっちゃった!」なんてことがないように、控えめに時間設定をして、様子をみながら温める・・・という使い方も悪くないようにも思います。

このエレクトロラックスの電子レンジ EMS21200JSは、庫内容量が23Lと手ごろなサイズ。最近の日本のオーブンレンジはターンテーブルのないタイプが多くなりましたが、この製品は「リターンテーブル」タイプ。

「え?ターンテーブルじゃなくてリターンテーブル?」と不思議に思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。そうなんです。丸い形のいわゆるターンテーブルがついているのですが、この回転皿が初めに入れたときと同じ向きで止まるところが、他にはない特徴なのです。

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たとえば、こんなふうにマグカップの取っ手がななめ右側に来るように入れたとします。ミルクなどの飲み物の温めが終了した際に、扉を開けてみると、ちゃんと同じところでストップしているということ。

その利点はどこにあるのかというと、ズバリ「取り出しやすさ」です。だって、カップが熱くなっているかもしれないのに、扉を開けたときに取っ手が奥のほうに向いていたら、カップの本体を持たなくてはならなくて、「アチッ!」という心配も。でも、入れた時と同じ向きなら安心でしょう?

そうそう。上の写真ではかなり大きめのマグカップを使っているので、庫内が狭そうにおもうかもしれませんが、ターンテーブル(回転皿)の直径は27cmあります。

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・90W・・・冷凍ケーキなどの『弱解凍』に。
・180W(解凍マーク)・・・肉や魚などの冷凍食材の解凍に
・300W・・・煮込み料理などに
・500W・・・冷凍食品などに温めに
・600W・・・お弁当などの温めに
・700W・・・飲み物などの温めに

左端のベルのマークに合わせると、キッチンタイマーとしても使えます。

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出力設定のダイヤルの下には、時間設定のダイヤルがあります。先ほどもお話ししたように、上手な使い方は弱めに加熱しておいてチェックし、「まだもうちょっとかな?」と思ったら、追加加熱するやり方。そのために「プラス30秒機能」というのがあって、500Wで2分30秒に設定して加熱した後、「あともう少し」と思ったら。ダイヤルのまん中の「+30」を押すと、出力(W数)はそのままで、30秒加熱できる仕組みになっているのです。

このあたり、三菱のレンジグリル「ZITANG」も同じような考え。簡単に追加加熱できるようになっているのは便利ですよね。

タッチパネルでもないし、レトロな感じのダイヤル式ですが、使い方を迷うことがないし、「これで十分」という人、案外多いんじゃないでしょうか。

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わかります? 扉部分の下方が傾斜していて、デザインがステキなんです。カラーも、ホワイトとグレーの2色あります。これで店頭価格はだいたい12,800円とのこと。まだ発売されたばかりなので、ビックカメラなど一部の家電量販店での取り扱いのようですが、これから販売店を拡大していくそうです。

コンパクトでデザインのよい、単機能電子レンジが欲しい・・・という方は、選択肢の1つに加えてみてはと思います。

そうそう、日本の家電メーカーさんに提案ですが、デザインがよくて、使いやすく、高機能な電子レンジを作ったら、案外人気が出るのではと思います。多機能ばかりが求められているのではないですものね。これからは「シンプル」&「ミニマル」です。



2013年01月11日

レンジグリル「ZITANG」で作るヘルシーカレー

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

一昨日の記事「目指せ!ロングセラー〜2代目レンジグリル「ZITANG」は“超完成品”」はずいぶん反響があり、Facebookでも「マイナーチェンジをしてでも新製品をどんどん投入しなければならないのは、メーカー側がエンドユーザーを見据えてではなく、家電量販店などの売り手を最優先させているからで、でも現状では仕方ないのかも」などの意見が寄せられました。マイナーチェンジが決して悪いのではないけれど、ロングセラーが生まれてもいいのにという気持ちと、いいものを長く愛用していくという文化が生まれてもいいのではという意見も多く、まだまだ考えてみたいテーマだなと思っています。

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さて、そのレンジグリル「ZITANG」の2代目、RG-GS1のメニューブックでもイチオシという「鶏とたっぷり野菜の簡単カレー」のことを今日はご紹介したいと思います。

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これが3人分の材料。鶏胸肉には小麦粉をまぶしておきます。そのほかの材料はなす1本、トマト2個、エリンギ小ぶりのものを2本、玉ねぎ1/2個、パプリカ1/2個、ニンニク、ショウガ、セロリを10cmくらい。調味料は塩小さじ1/2、カレー粉大さじ1.5杯、コンソメ(顆粒状)大さじ1.5杯、砂糖小さじ1杯、コショウ。

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これらを全部混ぜ合わせて深めの耐熱容器に入れます。

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角皿にのせてレンジグリルへ。

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これはすでに動き始めてから撮った写真ですが、手動「レンジ10分」⇒「グリル8分」にセットしてスタートボタンを押します。

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これが18分経過して取り出したときの様子。カレーに見えない?確かに、この段階ではカレーっぽくないんですが、全体をかき混ぜているうちにとろみがついてちょっとラタトゥイユっぽいカレーになります。

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油が多く含まれている市販のルーを全く使わず、材料を器に入れてかき混ぜるだけでカレーが出来てしまうなんて、ちょっとびっくり。

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見た目の色が薄いので、辛さが足りないのではないか、味も薄いんじゃないかと思って試食したのですが、これが思いの外、しっかりとした味で、辛さもほどよいんですね。なす、トマト、玉ねぎ、セロリ、パプリカという5つの野菜のバランスが絶妙。カレー粉の量を増やしたり、トマト多めにするとか、他のキノコも加えるなどアレンジがきくと思います。

自動メニュー以外のレシピの場合、材料を増やした場合は、「レンジ」の時間を多めにし、「グリル」の時間は変えないほうがいいようです。

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わが家で人気の超簡単レシピは、唐揚げ用の鶏肉を、ドレッシング(しょうゆでも中華風でも何でもOK。家にあるものを使います)に漬けておいて、それをレンジグリルで自動調理するだけ。から揚げ粉すら使わないので、粉っぽくないし、焼きとりっぽい仕上がりです。これをレタスの上におき、茹でた野菜や茹で卵と一緒にサラダ仕立てで食べるのがお気に入り。

鶏肉をドレッシングに漬けておくのは、下味がつくだけでなく、「マリネ」することで肉が柔らかくジューシーに仕上がるんですね。でも、余分な脂分は落ちているからヘルシー。レンジ加熱だけでは皮の部分がカリッとしないけれど、焦げ目がちゃんとつくのがレンジグリル調理のいいところだと思います。


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【御礼】

ちょうどこの記事で「Sallyの家電研究室」は800記事目となりました。毎日たくさんの方が訪れてくださることが励みになって、続けていられることを感謝しています。メディア出演や掲載のお知らせ記事が多くなりがちですが、今年は質も量ももっと高めていきたいと決意を新たにしています。

秋までに1000記事達成が目標です。これからもどうかよろしくお願いいたします!




2013年01月09日

目指せ!ロングセラー〜2代目レンジグリル「ZITANG」は“超完成品”

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

昨日、某誌の企画で「型落ち家電についての座談会」に参加してきました。私以外は黒モノに詳しい男性諸氏でとても勉強になりました。詳しい内容については後日発売される誌面にゆずるとして、座談会の最後に話題になったのが、「そもそも、おすすめの型落ち家電ランキングなんていうものが存在するのは、家電に限らないことだけれど『マイナーチェンジ商法』ともいうべきものが、当たり前になっているからだ」ということでした。

前年モデルを少しだけ改良して新製品を出すことで、価格の下落を防いでいるのだし、市場も活性化しないので仕方ないとはいえ、そろそろ日本の家電にも「ロングセラー」ともいうべき揺るぎない人気の魅力ある製品が出てきてもいいのではないかと。3年待てば画期的な新製品が登場するのなら焦る必要はないし、すでに確立している製品なら、ムダなマイナーチェンジなどしないで、自信を持ってそれを売り続ければいいのではという話で盛り上がったのでした。

と、ここで思い出すのは、三菱電機のレンジグリル「ZITANG(ジタング)」のこと。この製品は一昨年(2011年)の5月に発売されましたが、当時言われていたのは「三菱はもうオーブンレンジから撤退か」ということ。なぜなら、このZITANGを出すまで4年間もオーブンレンジの新製品を出していなかったからです。シャープがヘルシオを出して以来、オーブンレンジ市場はスチームや過熱水蒸気を使った健康調理や、高温でのオーブン調理など、どんどん機能が追加されていって、容量も大きく多機能で高価なものになっていきました。そして、目指すところが一緒だったため、どのメーカーのオーブンレンジも似たようなフルスペックのものになってしまったのが、2007〜2008年のこと。三菱の最後のオーブンレンジ「石焼厨房」もオーブン機能が素晴らしく、名品だったと思っていますが、消費者にとってはその違いがわかりにくく、実際のところ、毎日使うのはレンジ機能だけだったりするのが現状だったのですよね。

そこに気づいた三菱電機の開発チームが目指したのが、「毎日使ってもらえる調理家電」。つまり温め機能であるレンジのように気軽に使えるけれど、本格的な健康調理もできる画期的なもの。しかも面倒な予熱は極力なくし、“時短調理”を可能にしたい・・・と。

紆余曲折の末、4年の歳月をかけて誕生したのが、新た発想の調理家電「レンジグリル」。レンジで調理してから自動でグリルに切り換わるという、これまでにありそうでなかった機能を搭載しているため、普通のオーブン調理のように、「外側が焦げているのに中はまだ火が通っていない」とか、「予熱の含めて調理時間が長過ぎる」ということがありません。最初にレンジで食材の芯から火を通してから外側をグリル調理するので失敗がないんですね。しかも、センサーで火の通り具合を検知して火が通った段階でグリルへと移行するため、面倒なメニュー設定をせずに「レンジ⇒グリル」ボタンを押して「スタート」を押すだけで、自動で調理することができるという簡単さ。メニューブックにそって手動で設定する場合も操作は本当に簡単です。

4年間新製品を出さないという判断には、辛いものがあったかもしれませんが、そのおかげで使いやすい画期的な製品が生まれたのですから、素晴らしいと思います。

そんなレンジグリル「ZITANG」ですが、初代のRG-FS1の登場から1年半を経た昨年11月に、2代目であるRG-GS1が発売されました。見た目はまったく同じ。初代機がレッドとブラックの2色だったのが、レッドとホワイトのカラバリに変わっただけです。

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三菱は高級炊飯器「本炭釜」で、炊飯器には珍しかった「黒」を投入して人気を博し、今でも蒸気レスIHの人気カラーの1つとしてブラックがあるので、カラーを合わせるという意味ではブラックにも思い入れがあったのではと推察しますが、赤が人気だったシャープのヘルシオも近年はホワイトの人気が高いようなので、今回、ブラックをやめてホワイトにチェンジしたのは賢明な判断だったかなと思います。

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今回、超マイナーチェンジをしたレンジグリルの2代目を出したのは、三菱電機によると、次のような理由によるものだといいます。購入者アンケートなどの評価では、「スチーム機能がないため、庫内が濡れないしタンク等のお手入れも不要で使いやすい」「2段調理機能はないが、角皿の置き場所にも困らないし、そもそも2段調理の必要性を感じない」「メニュー番号がなく、操作が簡単で電子レンジ感覚で使える」と、シンプルな機能が好評だったものの、不満点として上の円グラフのように「メニューブック」と「角皿・角網」の使い勝手がいまひとつという結果になったとのこと。

上記の2点の改良ほか、より効率的にムラなく加熱して調理時間の短縮を図りたいという技術者たちの思いがあって、2代目の開発へと向かっていったといいます。

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技術的な面では、レンジ使用時に食材の置かれていないムダな場所を加熱しまうという『加熱ロス』を低減すべく、改良を図ったとのこと。

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またグリル時間を短縮するために、庫内の奥についている『コンベクションファン』を大型化して風量をアップさせています。

この2点については、見た目には何も変わっていない点ですが、実際に使い比べてみると、バージョンアップされたことがわかるのでしょうね。

角皿と網ですが、これについては私も初代機を愛用しているので、「網をひっくり返した時に角皿の凹みにきっちりと収まると、網目にこびりついた汚れが水に浸かって落としやすいのにな」と思っていました。

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わかります?ひっくり返した時に、網の面のほうが微妙に大きいために、角皿の凹みに浸からないのです。だから洗いにくいんですね。

それが新モデルではちゃんと改良されています。

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ほらね。ものごくマイナーチェンジかもしれませんが、「かゆいところに手が届く改良点」。ここに目をつけてくれた三菱チーム、素晴らしいです。

そしてもう1点、改良してほしいと要望の多かったというメニューブックですが、こちらもぐんと見やすく、充実した内容になっています。

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人気のヘルシーメニューが冒頭にきていて、「自動」でOKのメニューにはオレンジの「自動」マークがついてわかりやすくなりました。

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同じスペアリブのページで比べてみましょう。

上が初代のメニューブックで下が2代目。同じ写真を使っていますが、作り方などの文字が大きくなり、カロリー表示もされています。初代のメニューブックでは画像の上に白ヌキ文字で表示しているものが多くて、かなり読みづらいものがあったのですが、それもなくなり、年配の方でも読みやすくなりました。

というわけで、4年の歳月を経て新製品を開発し、それを改良した2代目を1年半後に出した三菱「ZITANG」。私としては、もうこれは『完成品』と言っていいのではないかと思っています。今後、あらたなメニュー提案を増やしていくとしても、メニューブックはバインダーになっていて、カードを増やしていけるようになっているので、同社のサイトをそのまま印刷するとちょうどよい大きさになるなど、サイトでの工夫をすればいいことでしょう。

冒頭で「家電にもロングセラー商品を」と述べたように、ここまで完成された製品なのですから、今後はじわりじわりとファンを増やして、ずっとこのRG-GS1を販売し続けていってほしいなと思うのです。

そしてむやみに価格を下げ続けず、いいものを適正価格で販売し、長く愛用できる家電であってほしいなと。

長くなりましたので、2代目レンジグリルRG-GS1でのイチオシメニュー「鶏とたっぷり野菜の簡単カレー」については、次の記事でご紹介しますね。






2012年08月13日

これは1人ごはんに便利!レンジで作れる超簡単パスタ♪

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

先週、ちょっと涼風が吹いたと思ったら、また夏に逆戻り。皆さんはお盆休み中でしょうか。私はどうやらこの夏は休みが取れそうにないので、秋になったら1泊2日で黒ラブ・大和も一緒に旅行に行けたらいいなと思ったりしています。

さて、今日ご紹介するのはお鍋やフライパンを使わずに、深めの耐熱容器とレンジだけで出来てしまう超簡単パスタ。すでにシリコン容器等でパスタが茹でられるとうたっているものが販売されているので、レンジでパスタを茹でるということについては当たり前になってきているのかもしれませんが、実を言うと、私自身はそうした容器を使ったことがないんですよね。

以前に何かの記事でお話ししたことがあったかと思いますが、わが家では「金曜日はパスタの日」というのが10年以上の習慣になっていて、金曜日の夜には4〜5種類のパスタを大皿に作って、みんなで取り分けて食べています。ソースに合わせて、パスタの種類も変えて、総合計で1kgくらいのパスタを茹でて、ワインを飲みながら作り、出来たものから、どんどん食べていく・・・。そもそもの始まりは、週末にワインが飲みたくて、それに合うメニューとしてパスタが選ばれただけなんですが、でもこれを家族のみんなは楽しみにしていて、「金曜日の夜はみんなそろって食べる」という習慣にもなったように思います。

本題から脱線しましたが、そんなわけで、パスタとは大鍋で茹でるものであって、電子レンジでちまちま茹でていたのでは間に合わない。だから、そうした容器には魅力を感じず、ここまで来てしまったんですよね。

ところが、先日、Yahoo!か何かのおすすめ料理に「レンジで簡単パスタ」というのがあって、ちょっとのぞいてみたら、茹でるだけじゃなくて、調理そのものをレンジでやってしまうというものだったので、「これは、家で仕事をする日のお昼ごはんにいいかも」と思って実験してみたというわけ。

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1人分で、パスタ100gを半分に折って器に入れ、ニンニクの薄切り、エリンギ2本を刻んだもの、ベーコン2〜3枚、塩小さじ1/4程度を入れます。

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そこに水を200CC投入。ラップをしてレンジにかけます。

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今回はレシピに載っていた通り、500Wで10分にしました(ちなみに、現在、日立のヘルシーシェフの最新モデルをお借りしているところなので、これはその画面)。

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10分後の器の中はどうなっているかというと・・・

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下のほうにうっすら水気が残っているものの、アルデンテに茹であがっていて、お鍋で茹でたのと変わりません。途中でかき混ぜていないのに、全然くっついていないのにもびっくり。長さは半分にしていますけれどね。

ここにオリーブオイルを大さじ1/2程度と、醤油を小さじ1程度、ブラックペッパーを加えて混ぜ合わせます。

この時点で食べてもOKなのだけれど、私はサラダ用ほうれん草をのせて軽くかき混ぜ、ラップをしないでさらに1分弱レンジにかけました。それが、冒頭の出来上がりの写真です。

パスタというのは水分とソースの油分がうまく混ぜ合わさって乳化するところに美味しさのポイントがありますが、オリーブオイルを加えてかき混ぜてから、もう一度レンジにかけることで残った水気もうまく飛び、オイルとも混ざって美味しくなったように思います。

気をつけないといけないのは、容器がとても熱くなるのでミトンなどを使って、取りだす時に火傷しないようにすることくらいでしょうか。フライパンもお鍋もいらないということは、キッチンに熱がこもらないので、夏向きの調理法ですね。1.7mmのパスタの場合で500W10分+1分で調理しましたが、ワット数を上げればもっと短縮できると思います(今度、試したら、また目安の時間をお知らせします)。

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今回試してみて思ったのは、こんな料理法こそ、オーブンレンジのレシピ集に載せるべきなのではないかなということ。現在、各社のレシピ集では時短メニューが花盛りで、10分だの8分だの7分だの・・・と時間の短さにしのぎを削っていますが、この1〜2分の差ってそんなに大事じゃないような気がするんですよね。

1人分だけだから簡単に済ませたかったり、どうにも疲れてしまって何もする気がおきないときの“お助けメニュー”というのは、なるべく手をかけないことがポイントになるだけで、ちょっとした時間の差はどうでもいいんですもの・

洗い物が少なくて済むメニューとしても際立つ今回の簡単パスタは、三菱のレンジグリル「ジタング」で繰り返し紹介している「焼きそば」の作り方にもちょっと似ています。こんな「へー、これなら簡単。試してみよう」と思わせるメニューも織り交ぜること、大切ですね。

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2012年05月04日

日立のオーブンレンジ「ヘルシーシェフ」の下位モデルが人気の理由

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

昨日、オレンジページの「スチームオーブンレンジ」特集の監修をしたことをお話ししました。この記事では、すでに発売されている2011年モデルのスチームオーブンレンジのうち、中級モデルを取り上げていますが、4月中旬以降、2012年モデルの新製品発表会もパナソニック・日立の2社が行い、オーブンレンジの機能も刷新しています。

スマホ連携やオートメニューが1・2・3・4人分から選択可能になったパナソニック「三つ星ビストロ」のフラグシップモデルや、日立の大火力&炒め物もできるタッチパネル式のフラグシップモデルについても、後ほどあらためてご紹介しますが、今日は、あえて日立「ヘルシーシェフ」の新製品の中でも、上から4番目の機種となる下位モデルMRO-LS8についてお話ししたいと思います。

実は、日立のオーブンレンジは、毎年、下位モデルの評価がとても高いのです。リーズナブルな価格ながら、基本性能がしっかりしていてコストパフォーマンスがよいところがその人気の秘密。先日の発表会でも、私が思わず「フラグシップモデルも魅力だけれど、日立さんの場合、こちらの下位モデルの人気が抜群ですよね?」とメーカーの担当者の方に話しかけてしまったところ、「そうなんですよ。価格が安いのに、とにかくしっかり作ってある。余分な機能はいらない・・・という方には、本当に喜んで使っていただいています」とのお返事。失礼なことを言ってしまったかなと一瞬反省したのですが、「そのとおり!」と太鼓判を押していただきました。

で、新製品の中でも一番下のモデルとなるMRO-LS8ですが、上位3機種とどこが違うかというと、1段調理なのです。パンを一度に角皿2枚分焼いたり、オーブン料理を2段使って行う・・・ということはできませんが、下火をきかせて1段でしっかりと焼きたいなら、ある意味こちらのほうがいいかもしれません。

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こちらは、1つ上のMRO-LV100で、2段調理ができるもの。で、よく写真を見ていただくと分かると思うのですが、庫内の突き当たりにファンがついています。ヒーターの熱を庫内に循環させる「光速ヒーター熱風式」のオーブンだからこそ、2段でのオーブン料理も可能ですが、下火はないのです。

こうした「下火」が弱い・・・という弱点を補うために生まれたのが、裏面にレンジ加熱(マイクロ波)で加熱する発熱体を使用した「グリル皿」の登場ともいえます。

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一方、1段調理のMRO-LS8は上下ヒーター式のオーブンなので、庫内の奥にファンはありません。でも、鶏のから揚げやグラタンなどのしっかりと焼き目をつけたい料理のときも、トリプル重量センサーで重さをはかってオートで調理することのできる「はかってグリル網」がついています。


レンジでのあたための場合も、トリプル重量センサーが活躍。2品同時あたための場合、重さや温度の違う食品をオートで同時に食べごろにあたためられます。たとえば、重さが違う食品を2つ同時に温める場合、重いほうをより多く加熱するため、仕上がりは同時で、どちらもちょうどよい温め具合になります。冷凍ごはん&冷蔵おかずの組み合わせも可能です。

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ほらね、メニューの10番に「冷凍(左)と冷蔵(右)」というのがあります。手動で時間の設定をする際に、「10分」「1分」「10秒」の組み合わせでボタンを押して行うのは、三菱のレンジグリル「ZITANG(ジタング)」と同じ仕組みですね。これ、とても設定しやすくて便利です。

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本体の左下にスチーム用のタンクがついていて、過熱水蒸気によるヘルシー調理やスチーム調理を行う場合は、ここに水を入れて使います。

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このスチームを使った「清掃」や、庫内の油汚れを焼き切って脱臭する「脱臭」する機能もついていて、ボタンも独立しているから、使いやすいですね。MRO-LS8よりさらに下位機種のコンパクトタイプのものには、こうしたトリプル重量センサーや清掃・脱臭機能などはついていないので、置き場所さえ確保できれば、このMRO-LS8は、なかなかいいなあと思います。

ちなみに、2011年モデルまでは、このタイプの機種はカラーがライトグレー1色だったのですが、せっかくの人気機種だからと、今年から上位モデルでも人気のカラー「パールレッド」と「パールホワイト」の2色展開に変更したのだそうです。オーブンレンジでは「赤」がダントツの人気なのだそうで、今まで「グレーはいやだな」と思って二の足を踏んでいた方も、赤と白の2色から選べるようになったのは朗報。それだけ、日立としても下位モデルの人気を見過ごせなくなってきたということなのでしょう。

日立のオーブンレンジの新製品の発売は5/20で、MRO-LS8の想定売価はだいたい5万4800円。基本の1台を探している方には、おすすめです。




2011年08月18日

オーブンレンジ2011年モデル、各メーカーの特長〜VOL.2「パナ、シャープ、三菱」

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyです。

2011年に登場したオーブンレンジ、各メーカーの製品の特長についてご紹介する記事、その2です。前回は日立「ヘルシーシェフ」と東芝「石窯ドーム」について、オーブンの特長をいかしたお料理を中心にご紹介しました。今日は、パナソニック、シャープ、三菱です。

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■パナソニック「三つ星ビストロ」NE-R3400

パナソニックの「三つ星ビストロ」といえば、レンジ加熱とヒーター加熱の両方を同時に行う「合わせ技セット」でしょうか。使う機能は違いますが、過熱水蒸気(=いわゆる“水で焼く”というもの)で調理するシャープのヘルシオが、セットメニューを打ち出してきた後、パナソニックならではの方式で「合わせ技」が登場。すっかりおなじみになっています。今では、日立や東芝のオーブンレンジでも合わせ技ができるようになっていますが、メニュー数の豊富さやスピードでいえば、やっぱり「ビストロ」ですね。

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ご覧のように、光ヒーターで上段の肉などを焼き、下段ではマイクロ波、つまりレンジ調理で煮物をすることができます。この時、肉をのせているグリル皿の底の部分がマイクロ波によって発熱するようになっているため、調理時間がより短くなっているというわけ。

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先日の「スッキリ!」の放送では、この合わせ技セットのよる「肉団子の野菜あんかけ」を作ってみました。上段で肉団子とピーマンを焼き、下段には玉ねぎやたけのこなどの具材とあんかけの調味料、水をセットして煮ていきます。

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23分程度で仕上がるので、下段のボールに焼いたピーマンを入れ、水溶き片栗粉を入れてとろみをつけ(再び加熱する必要はありません。余熱でOK)、肉団子にかければ出来上がりです。

この料理の場合は、「肉団子+野菜入りの甘酢あん」を同時調理し1品仕上げましたが、「上段で魚の焼き物+下段で野菜の煮物」など、2品作ることも可能です。このあたりは、やはり同梱されているレシピブックをチェックして、作っていくしかないでしょうね。


■10分でちゃんとごちそう100レシピ集

この合わせ技セットは以前から出来ていましたが、2011年モデルでは、光ヒーターがパワーアップしたことや、グリル皿の発熱量が50%アップしたことから、よりスピーディに調理できるようになったことが大きな特徴でしょうか。それに合わせ、通常のレシピブックに加え、「10分でちゃんとごちそう100レシピ集」というものも、新たに同梱されています。ただし、10分メニューは分量が2〜3人前がベースなので、4人家族には向かないかも。でも、“時短”というキーワードを元に、レシピ提案をして顧客の心をとらえようというところはさすがパナソニックですね。

操作パネルですが、実際に使ってみて感じたのは、「タッチパネルでなくて、残念」ということ。フードコーディネーターの松下さんも、何回もパネルをさわってしまって「ここじゃなかった」と慌てて操作パネルの右わきにある操作ボタンに手を移動させていました。パネルに出てくる表示を、右側にある操作ボタンの上下左右の矢印を推すことで行うのは、案外やりにくいものです。いっそのことダイヤル式のほうが使いやすいように思いました。ただし、パナソニックのオーブンレンジは、操作のたびに音声でガイドしてくれるので、その点は行き届いています。

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■シャープ「ヘルシオ」AX-PX2

今月25日に発売になる8代目のヘルシオ。“水で焼く”という過熱水蒸気(高温の水蒸気のこと)による健康調理が特長です。脂や塩分が落ちるという点も魅力ですが、栄養素を破壊しにくい調理方法という点にも注目。「健康調理=まずい」という印象を持つ人もいるようですが、何度試食しても、実際に家でサンプル機を使ってみた際にも「おいしく調理できる」と思います。

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これは、ヘルシオのメニューの中でも代表選手といえる「鶏の照り焼き」。青木アナウンサーが「おいしすぎる!」と絶叫したほどの、絶妙な焼き具合に仕上がって、私なんてこれだけのためにヘルシオが欲しくなってしまったほどです。もも肉2枚を20分強でここまでこんがりジューシーに焼き上げるのですから、決して調理時間が長いなんてことはありませんよね。脂が相当量落ちるのでパサパサになるのかと思いきや、そんなことはありません。フライパンでこんなふうにはいきませんものね。照り焼きの下味をつけてあると、焦げやすいし、中まで上手に火を通すのが難しいです。

他のスチームオーブンレンジと比べて、調理時間の長さがネックと言われてきたヘルシオですが、2011年モデルでは「ヘルシオエンジン」をさらに改良&進化させて10%の時短を可能にしています。20分の10%は2分ですから、わずかなようですが、常に進化している証なのだなと思います。

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さてさて、これが2011年モデルに新しくついた「骨までやわらか機能」。さんまの柔らか煮は、まさに缶詰のよう。骨がホロッと崩れるように軟らかく煮えます。

さんま4匹で2時間50分ほどかかりますが、これを長いと考えるか、放っておいていいのだから楽と考えるかはその人次第ですね。調理家電は「使っていない時間のほうが長い」ので、いつもの調理以外の空いた時間を利用して、健康調理をしてもらえないか・・・という発想から考えられたのがこの「骨までやわらか」。開発当初は5〜6時間かかっていたものを、温度その他の制御により、効率的に過熱水蒸気調理をすることで2時間50分まで短縮することが可能になったとのこと。

週末の空いた時間や、深夜など、ゆっくりと時間をかけて魚を調理できるのはいいなと思います。時短が叫ばれていますが、時間の使い方の転換をすればスローな調理もプラス思考にかわりますものね。しかもガスと違ってつきっきりになる必要はないし、焦げ付きの心配もない。あえてスローな調理方法を提案してきたヘルシオに拍手!

■カラー液晶のタッチパネルは使いやすい

液晶のシャープだけあって、カラー液晶のタッチパネルはとても使いやすいし、見やすいです。でも、2011年モデルのイチオシらしい「赤外線通信で携帯やスマホの写真を連携できる」という機能はちょっと疑問も。なので、番組でもこの部分はスルーしてしまいましたが、小さいお子さんがいらっしゃったりして、ハレの日のごちそうの写真を家族で共有したり、手書きのレシピメモを携帯で撮ってヘルシオに保存しておいたり・・・という使い方は便利かも。

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■三菱電機「ジタング」RG-FS1

三菱電機が4年ぶりに投入してきた新しい調理家電「ジタング」。レンジ→グリルの連動調理によって超スピーディかつ、簡単に調理ができる「毎日使える利便性」が魅力です。揚げものの温め直しも驚くほどはやく出来ておいしいことについては、この「Sallyの家電研究室」でも何回かご紹介してきましたし、日経トレンディネットでも記事にしています。

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2段調理はできませんが、ご覧のように庫内がコンパクトなため、オーブン調理でパンを焼く、ケーキを焼く・・・という際にも予熱は不要。その名のとおり『時短』を極めています。効率のよさで省エネ達成率115%。業界ナンバー1というところも見逃せませんね。

番組でも放送した、焼きそばやから揚げなど、具材の分量や種類、加熱時間などに神経質になる必要がなくて、すべてお任せでいいところが最大の魅力だと思います。

■操作ボタン

次に操作するボタンのキーが光るのでわかりやすいですし、オーブン調理やレンジの温めなどで時間の設定をしたい場合も10秒、1分、5分の3つのキーのみで操作できるのが思いのほか便利です。たとえば「レンジ→グリル調理」で調理した際に、「あれ?もうちょっとだけ焦げ目があるほうがいいな」と思うなら、「1分」のボタンをおして、「スタート」すればOK。30秒なら「10秒」のボタンを3回おすという使い方になります。

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ということで、ざっと5機種についての説明をしましたが、日立、シャープ、東芝の製品については、記者発表会および開発者への取材でさらに細かい点についてもチェックしてありますので、いずれまた詳しくご紹介できればと思っています。





2011年08月16日

オーブンレンジ2011年モデル、各メーカーの特長とは?〜VOL.1「日立、東芝」

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyこと、神原サリーです。

昨日放映された日テレ「スッキリ」のハイテクオーブンレンジ特集、収録ではそれぞれの特長をいかした料理を実際に作ってみて、その手軽さ、美味しさ、使い勝手などを試してみました。

奇しくも当日並んだオーブンレンジは、どれもみんな「レッド」。シャープのヘルシオは2010年モデルからホワイトを投入し、ヘルシオカラーのレッドをしのぐ人気だそうですし、たとえば三菱のレンジグリル「ジタング」もブラックがあるのに、メーカーさんから届けられたのはレッド。確かに赤い色は温かみがありますし、料理を美味しく見せる色でもあるので、ある意味“てっぱん”なのかも。

ということで、ずらりと並んだ5社の赤いオーブンレンジについて、番組を振り返りながら、ご紹介したいと思います。

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■日立「ヘルシーシェフ」MRO-JV300

焼き蒸し調理ができるのが、最大の特長。「はかって両面グリル皿」&「焼き蒸しふた」が同梱されていて、焼きながら蒸したり、焼き目をつけたり、セイロで蒸すような“蒸し料理”ができたりします。

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この“焼き蒸し調理”ができるようになったのは、2010年モデルからですが、今年のモデルはそれがさらにバージョンアップ。単なる水蒸気を入れて蒸すだけでなく高温の“過熱水蒸気”を焼き蒸し調理に利用できるようになったため、調理の幅も広がっています。

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番組では、フードコーディネーターの松下さんが下ごしらえしてくださった餃子を調理。オーブン内のスチーム投入口に、ふた付きのグリル皿をきちんと合わせてセットすることがポイントです。

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20分弱で調理が完了。焼き目の部分はカリッと、そのほかの部分はもっちりと。焼き加減の難しい餃子がおまかせでここまで焼けるのは見事です。フライパンで焼く場合は5〜7分程度なので、その点がちょっと気になりますが、途中で水(お湯)を入れたり、時間を計ったりという手間がないので、他の料理に専念できますものね。どんなふうに使いこなすかで、ヘルシーシェフの良さが光ってくるのだと思いました。

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番組では、白身魚の姿蒸しも調理。紹興酒の香りとネギやショウガの旨みや香りが引き立った上品で高級な味わいに、私もちょっと感動してしまいました。青木アナウンサーが「高級料亭の味わい」と言っていましたが、誰でも失敗なくこうした魚料理ができるのはとても素晴らしいこと。記者発表会時には「ショウロンポウもおいしくできます」とアピールしていたけれど、魚料理、格別でした。

★液晶タッチパネルが使いやすい!

かがみ込まなくても操作がしやすいようにと少し角度のついた液晶タッチパネルがついていて、これがとても使いやすいと思いました。フードコーディネーターの松下さんも、「これは見やすいし、わかりやすい!」と言っていたほど。シャープのヘルシオのようにカラー液晶ではありませんが、とても大きな表示で、必要な調理器具なども出てくるので、レシプブックを握りしめながら「次はどうするんだっけ?」と慌てることもありません。

今回の5機種の中では、私的には使い勝手の点でかなりの高得点だと思いました。

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■東芝「石窯ドーム」ER-JD510

ふた(扉)のデザインに象徴されるように、石窯をかたどった“高温のオーブン機能”が、東芝のオーブレンジの特長です。上下左右からの熱風で包み焼く石窯ドーム構造で350度までの高温が可能に。肉料理を香ばしく中はジューシーに焼き上げ、パンの膨らみもバッチリ。そういう意味では、本格オーブン料理を目指す人に向いていると思います。

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番組では、一番特長が出やすい、ハンバーグをオーブンで焼き上げました。中まで火を通そうとすると中がパサパサになってしまったり、外側が焦げてしまったりと、上手に焼くのが難しいハンバーグですが、見事にふっくらと焼き上がりました。

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焼き上げには約30分。時間はかかりますが、おいしいものを食べるためには、急いではいけないのかもしれませんね。ハンバーグをオーブンにお任せしている間に、スープやみそ汁などの汁物を作ったり、サラダを作ったり。上手に使いこなしたいものです。

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私も試食しましたが、中のふっくら感、ジューシーさには本当に驚きました。味の良さは松下さんの下ごしらえの賜物なのだろうなあと思います。

ちなみに、ハンバーグの焼き具合も「過熱水蒸気によるヘルシー調理」「ヘルシー&おいしさを追求したハイブリッド調理」「おいしいオーブン調理」の3種類から選べるのですが、焼き上げ具合を選ぶための操作方法がわかりづらいのが残念でした。上の画像の焼き上げは「オーブン料理」です。

★お手入れのしやすさが◎

残念ながら、操作パネルは直感操作というわけにはいかず、慣れるまでは取扱説明書のお世話にならないといけないかな・・・という印象でした。でも、お手入れのしやすさはかなりのもの。角皿と庫内は「とれちゃうコート」をしているので、汚れも焦げ付きもスルッととれてしまいます。お菓子やパンを焼く際にもオーブンシートがいらないというのは、ポイントが高いですよね。

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日立「ヘルシーシェフ」、東芝「石窯ドーム」について紹介してきましたが、パナソニック「三つ星ビストロ」、シャープ「ヘルシオ」、三菱「ジタング」については、次の記事でご紹介します。








2011年05月24日

揚げ物の温め直しも短時間でおいしくできる新調理家電「ジタング」

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyです。

昨日に続いて、三菱電機の新発想の調理家電「レンジグリル」(愛称:ジタング)のことについてお話しますね。上の写真は記者向けの説明会のときに蒸気レスIHと一緒に並べてあったもの。これまでのオーブンレンジと比較して、高さがずいぶん低くなっていて、庫内がコンパクトなのがわかります。

この高効率の庫内と、レンジ⇒グリル調理を自動で行う新しい仕組みの調理方法を使うと、揚げ物の温め直しもびっくりするくらい短時間でおいしくできます。お惣菜屋さんで購入したり、昨日の残りものだったり、天ぷらやフライなどの揚げ物類を温め直して食べたいときって多いと思いますが、電子レンジで加熱すると衣がベチャッとしておいしくないし、かといってオーブントースターだと直焦げしてしまって、中まで温まっていないこともあります。それに時間もけっこうかかるんですよね。

このジタングを使うと、レンジで芯まで温めてから自動でグリルモードに切り替わって、衣部分をカリッと焼き上げてくれるので、とてもスピーディ。

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一昨日の日曜日の夕飯は、1泊2日の福岡行きから帰宅したばかりだったのですが、自宅に戻ったら、料理好きの次男が天ぷらを揚げて待っていてくれました。でも、すでに冷めていてちょっと残念。

そこで、各皿に付属の網を置いて天ぷらをのせ、「レンジ⇒グリル」ボタンを2度押し。1度だと「自動調理」、2度押しすると「再加熱」になるのです。

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セットしたお惣菜の分量や温度に応じて、自動で温め直しをしてくれるので、つきっきりで見ている必要はありません。仕上がり感も弱から強まで5段階に調節できます(通常は3で表示されるので、そこからマイナスしたり、プラスしたりすればOK)。

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ほらね、揚げたてのときよりは若干、焦げ目が強くなっていますが、カリッとした仕上がりです。

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これが取り出してみたところ。

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角皿を見てみると、油分が落ちているのがわかります。スチーム(過熱水蒸気)などは使っていなくて手軽だけれど、ちゃんとヘルシーな仕上がりになるのですね。

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次男が用意してくれた天つゆと抹茶塩でおいしくいただきました。ありがとう!ごちそうさまでした。

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ほかにも、温め直しのおすすめとしては、「たい焼き」。外側はカリッと、中の餡は熱々になります。もちろん、レンジ単体での普通の温め直しもこれまでどおりできます。

庫内の底面に新開発の「円偏波アンテナ」を搭載して、マイクロ波をらせん状に放射する3Dウェーブ加熱をするために、レンジ加熱の際の温めムラがなく、均一に加熱されるのが大きな特長です。

いずれにしても、このジタングのいいところは、レシピブックなどに添って分量をきっちり計ったりしなくても、たいていのことはお任せですんでしまうところなのかなと思います。しかも、「ジタング」の名のとおり、調理も温め直しも速くて手間いらず。まさに時短家電ですね。

昨年末くらいから、「2011年は調理家電の年」といろいろなところで発信していた私ですが、こうしたレンジグリルのような製品が登場して、やっぱりそうだったのだなあと思います。これに限らず、便利でおいしくできて、しかも省エネについても配慮された調理家電が次々に登場することを願っています。

2011年04月13日

「ヘルシオで焼そばが作れる」って知ってました?

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyです。

先日、知人と話していたときに「ヘルシオをずいぶん前に買ったんですが、温め機能以外、使ったことがなくて…」という話が出ました。レシピブックもついているけれど、きちんと読んでみたことがなく、「いつか時間のある時に使ってみよう」と思いつつも、ヘルシオの特徴である「過熱水蒸気による健康調理」機能を使うことなく今に至るとのこと。

実は、今回の大震災&計画停電などのことがあり、ここでなかなか紹介できずにいたのですが、2月上旬から1か月ほど、「ヘルシオコンパクト」の実機をシャープさんからお借りしていました。これまで試食は何回かしたことがあるものの、家で実際に使ってみたのは初めてだったのです。中でも家にある材料ですぐにできるものとして「焼そば」がとても簡単だったので、彼女に「ヘルシオで焼そばが簡単にできるのを知っている?」と話したところ、とてもびっくりしていました。

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こんなふうに、天板(角皿)の上にアルミホイルを敷いて、ほぐした焼そば用の麺、野菜、豚肉の順にのせます。最後に粉末ソースをまんべんなく振りかけて、下段に。水タンクには水を入れてください。

手動加熱⇒21ウォーターオーブン(予熱なし)⇒手動加熱⇒250度⇒16〜18分

…の順で設定したら、スタートボタンを押すだけ。
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ほらね、こんな状態でセットします。

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加熱後には肉には焼き目がついていて、野菜や麺にはちょうどよく火が通っている感じ。全体を混ぜ合わせて、お皿に盛りつければ出来上がりです。油を使うこともなく、ヘルシオまかせで、1品できてしまうので、簡単&ヘルシー。一人暮らしの人にも便利ですよ。

上の写真のときには、キャベツがなかったので白菜で作りました。

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こちらは、キャベツを使ったときの、加熱前の様子。焼そばには粉末ソースではなくて液体ソースがついていたので、それを使いました。


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ヘルシオはどの機種もそうだと思いますが、同梱されている冊子の片側が「取扱説明書」で、反対から開くと「レシピブック」になっていて、操作方法がとても丁寧に示されているので、実はとても使いやすいのです。


フライパンやホットプレート以外で焼そばを作るなんて変!と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、業務用などではスチームコンベクションオーブンで作る焼そばというのは超定番といってもいい調理方法なんですよね。なので、今、ヘルシオをお持ちの方で、「温め機能しか使っていない」という方、ぜひ冊子を開いてみて、手始めに焼そばあたりから作ってみてはと思います。

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折しも今日、三菱電機さんから『ジタング』というネーミングの全く新しい調理家電が発表されました。

コンパクトなボディでレンジ→グリルの連続調理ができる、これまでにない発想の家電です。この取材も今日してきましたので、近いうちに詳しくご紹介します。“時短で省エネ、しかも毎日使えて美味しい”そんなコンセプトのレンジグリル。昨年のスチーブンといい、ヘルシオコンパクトといい、わくわくする調理家電の登場にうれしくなりますね。







2010年10月11日

コンベクションオーブン+単機能電子レンジという選択ってどう?

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyです。
 
先日、ヘルシーメニューなどではなく、肉などを焼くのに使うパワフルなオーブンレンジについて相談を受けたことを記事にしました(http://kaden.k-sally.jp/article/41144399.html)。記事内で、置くスペースがあるのなら、デロンギのコンベクションオーブンと温め専用の電子レンジの併用という手もあるのでは…と書いたのですが、実際のところ、単体の電子レンジ事情について調べてみると、充実していないのですね。
 
事務所の近くのビックカメラ有楽町店に立ち寄ってみたところでは、上の画像のパナソニックNE−M152あたりが、扉の開け閉めもしやすく、使い勝手もよさそうに見えましたが、一応これも、トーストが焼けるなどオーブンレンジの仲間です。店頭価格が16000円程度だったので、デロンギのオーブンと合わせると4万円弱というところでしょうか。
 
そのほかに、店頭にはなかったけれど、パナソニックの単機能レンジNE-ES251は、容量が25Lとたっぷりで、スイングサーチ赤外線センサー付きなので、温めムラも少ないのでよさそうに思いました。ただし、価格は3万円強というところ。
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ならば、先日の記事でご紹介した高性能赤外線センサーの実績度やオーブン機能を見てみても、価格とのバランスがよく、デザインもとてもシンプルな三洋電機オーブンレンジEMO−TS30C(もしくはEMO−FS30D)を1台購入するほうが満足度が高いのではと思いました。
 
店頭で実機をさわってみましたが、作りもしっかりしていて安心感がありましたしね。
 
どんな家電でもそうですが、多機能でない家電は選択肢が少なく、「高価格のものを売りたいのだな」という感じがしてちょっと残念。より便利なようにと次々に新しい機能をつけていって、結局使わないボタンばかりがある・・・という現実。どうなんでしょうねと、あらためて思ったのでした。だからこそ、迷いがちな家電選びのお役に立てればと思います。
 

2010年10月06日

オーブンの本質に迫った三菱「石焼厨房」三洋「デリスタ」よ、再び!

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こんにちは。家電コンシェルジュのSallyです。
 
ツイッター上で、オーブンレンジについて相談を受け、お応えすべく新製品以外のここ数年の製品についても振り返って整理してみたところ、なんとも残念なことがわかり、皆さんにお話したくなりました。
 
今回のご相談というのは…
 
「オーブンレンジが壊れてしまったので買い替えたいのですが、お手入れがしやすくデザインもシンプルでよいものはありますか?」
 
というものでした。昨今のオーブンレンジというのは多種多様な機能がついていて、
 
  • パンを焼きたい
  • 脂肪分や塩分を落としたヘルシー料理がしたい
  • 合わせ技やオートメニュー機能で短時間に料理をしたい
  • 本格的なオーブン料理をしたい
  • スチームを使った蒸し料理もしたい
  • ついているにこしたことはないが、オーブンはたまにしか使わない
 
…など、オーブンでやりたいことや、生活スタイルに応じて選ぶ機種が変わってきます。
 
あらためて、たずねてみると
 
「蒸し料理は蒸籠(せいろ)でするので、スチーム機能は重視しません。肉料理などにオーブンを使いたいのでパワフルなものがいい。オーブン単体ということも視野に入れているけれど、温め機能もないと不便なのでレンジと2台というのも…」
 
とのこと。
 
となると、高火力で立ち上がりもはやいもの、デザイン的にもシンプルで置き場所をとらないもの・・・というあたりがポイントになるのかなと思います。
 
今年に入ってからも、日立からは餃子やチャンチャン焼きもできる「ヘルシーシェフ」、パナソニックからは自家製の冷凍食品の解凍から調理まで一気にできる!合わせ技もばっちりの「三ツ星ビストロ」、ますます使い勝手のよくなった、ヘルシー調理の王道、シャープの「ヘルシオ」、そして、石窯構造でパン作派には魅力的な東芝の「石窯ドーム」など、新製品が続々と出ていますが、“高火力で本格オーブン料理”という視点から見ると、ピンときません。
 
ここ数年、ヘルシオの登場以来、過熱水蒸気によるヘルシー調理への追究が進み、なんとなくオーブンそのものの基本性能を見つめたものがないような…。そんな中で東芝が、「パンを美味しく焼く」ことに注力した点ではある意味オーブンの基本にかえったといえなくもないのですが、やはり肉料理よりは“パン向き”かなという印象を受けます。
 
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でもね、確か2007年の新製品には、高火力とかガスオーブンにも負けない本格オーブンみたいなものがあったはず…
 
そう思って家にあるファイルをめくって調べてみたら、やっぱり!
 
冒頭の画像にあるのが、三菱電機石焼きオーブンレンジ「石焼厨房」RO-EV100。庫内温度340度となる高火力ヒーター、奥には熱を庫内にしっかり伝えるヒーター(つまり熱風循環型のコンベクションオーブン)があり、左右と底面に遠赤効果のある厚さ4ミリの石の壁で“包み焼き”をしてくれます。背面がフラットで30Lタイプなのに奥行が40センチとコンパクト。ピザプレートも付属されています。
 
このオーブンレンジは三菱が業界で初めてオーブン+レンジの一体型の製品をつくってから30周年を記念する、力の入ったものだったのですが、なぜか、その後新製品は発表されていません。ただし、三菱のサイトには紹介されていますし、ネットで調べたところ、今でも在庫限りかとは思いますが、取り扱っているお店があります。価格はだいたい85,000円前後です。
 
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もう1つ、同年に発売された三洋電機「デリスタ」EMO-XS33も、私的にはイチオシの製品です。ジェットヒートエンジンと多層高断熱ボディが生み出す350度の高火力でローストチキンもこんがりと焼き上げる実力。 レンジ加熱にも三洋電機は定評があり、温めがムラなくできるのは、業務用で培った赤外線センサー技術があるから。こちらは33Lの大容量で奥行は46センチですが、背面も左右の側面もすき間なく設置できる省スペース設計。調理後のお手入れ機能も充実しています。
 
でもね、こちらも今は生産終了商品。もしもどこかで在庫を見つけたら、料理好きの方はおすすめのオーブンです。
 
 
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三洋電機からは、その後、「デリスタ」ほどの最高級機種を出すのはやめたようで、そこまでのフルスペックではないものとして、EMO-TS30Cという製品が出されています。ただ、発熱トレーがついていたり、高性能の赤外線センサーがついていたりと、価格とのバランス的にはとてもよいのではないでしょうか。
 
今年、その後継機種、EMO-FS30Dが登場していますが、こちらには発熱プレートが付属されておらず、グリルネットがついています。発熱プレートの場合、ひっくり返さずに裏面にも焦げ目がつくのが特長とか。トーストを焼くのに使ったりするのでなければ、どちらでもあまり変わらないかもしれません。(価格次第?)
 
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今回、相談された方は、電子レンジとの2台持ちはスペース的にもどうか…ということでしたが、オーブン機能に特化するなら、デロンギのコンベクションオーブンEO1900Jという選択もあるかと思います。
 
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熱風対流(コンベクション)調理、高温のオーブン調理、焼き魚やグラタンに向くグリル調理、煮込みにも向くスローベーク調理(下火のみで調理)、解凍…の5つの調理機能がついていて、ピザストーンも付属。深さ4センチの深型トレイと、浅型トレイの2種類あるのも便利。庫内はエナメル加工されています。
 
希望小売価格は28800円ですが、2万円程度で買えるところもあるようなので、置き場所さえあれば、こちらのコンベクションオーブンと、温め専用の電子レンジを買うのも1つの方法かなと思います。
 
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というわけで、あらためて確認してみてびっくりしたのが、オーブンレンジに求められる機能の変遷というか、日本ならではの多機能ぶりというか・・・
 
それにしても「石焼厨房」「デリスタ」が発表されたのが共に、2007年。その後、三菱はオーブンレンジから撤退か?と言われ、三洋電機はスペックを落としたものに方向転換、そして、来年3月のパナソニックへの吸収。本質にせまった家電は見向きをされないのが日本なのでしょうか?(でも、石焼厨房は今でも人気が高い様子)
 
いつか、ガスに負けない高火力のオーブンという、本質に戻るような気がしないのでもないのですが。「石焼厨房」「デリスタ」カムバック!と願う私です。
 
 
 
 
 
 

2008年12月29日

ヘルシオのあたため機能のこと。

こんにちは。sallyです。
 
シャープのウォーターオーブン「ヘルシオ」は、使ってみた人や食べてみた人でないと、どんな使い方をして、どんな料理ができるのかがわからないのでは・・・と思って、今まで3回に分けて、実際に体験してきた様子などをレポートしてみましたが、たぶん多くの人がまだわからないことの一つに、あたため機能があると思います。
 
初代のヘルシオは、新技術「ウォーターヒート技術」というもののよさをぜひ伝えたいという思いや、普通のオーブンレンジとは違うということをアピールしたくて、レンジ機能を搭載していなかったそうですが、「ヘルシオ」と「電子レンジ」を2台置く場所はないのでぜひレンジ機能も搭載してほしいという希望が多く、2代目からは「ウォーターオーブン」機能に加えて、普通のレンジ機能もつくようになっています。
 
いわゆる「調理」ではなく、買ってきたものや、さめてしまったものを「あたためる」機能が、ヘルシオに実は4つあって、それを使い分けることでさらに便利においしく食べることができるんです。
 
★レンジあたため
短時間でごはんなどをあたためる機能。おなじみですね。
 
★さっくりあたため
ヘルシオならではのウォーターヒート技術を使って、天ぷらやフライ、焼き魚などをさっくりとした食感であたためます。こうしたさっくりあたためをしたい場合も自動メニューから選べるので、難しい設定をする必要はなし。
 
★スポットスチームあたため
スチームを集中噴射し、少量の食品のあたためを、すばやく行います。缶詰も缶のままでOKだし、豚まん(肉まん)などもしっとり&スピーディーにあたためます。
 
★しっとりあたため
しゅうまいや茶わん蒸しのあたために、たっぷりとスチームを使って行います。
 
それと、もう1つ。シャープの担当者のお話をうかがいつつ、メニューブックをめくっていたら、「ゆで卵&冷凍ごはん&レトルトカレー」なんていう項目があって、びっくり!
 
「なんです? この一人暮らしにおすすめセットみたいなやつは!」と思わず叫んだら、「ウォーターヒート技術は、直接ヒーターで熱を加えて焼くわけでもないし、レンジあたためでもないので、冷凍ごはんをふっくら温めながら、ゆで卵を作り、レトルトのカレーをあたためるという作業が1つの天板で同時にできるんですよ。もしかするとヘルシオの特徴がいちばんわかりやすい例かもしれませんねぇ」とのこと。
 
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だって、こんなふうにしていいんですよ。天板(角皿)の上に調理網をのせて、そこに卵、レトルトカレーのパック、ラップをはずしたごはん(ラップは調理網の上に敷いておく)を並べて、18分。
 
スピードが大事という向きには、18分は長いと感じるかもしれないけれど、小鍋でゆで卵を作りつつ、その鍋に途中でレトルトカレーを投入してあたため、一方レンジでは冷凍ごはんをあたためる…という作業をすることを考えると、そんなに時間的には変わらないかもしれません。
 
ちなみに、上の3つを解凍&調理したい場合は、自動メニューの「ゆで・蒸し・煮物」の中から「レトルト食品」を選び、しっかりコースでスタートをすればいいそうです(詳細はレシピブックに載っています)。
 
 
 
 

「ヘルシオ」の調理体験記〜Vol.3

こんにちは。sallyです。
 
シャープウォーターオーブン「ヘルシオ」(AX-X1)での酢豚づくりに続き、1度に主菜・副菜など2つの異なるメニューができてしまうという「セットメニュー」の中から、「鶏のごまだれ焼き&和風焼き野菜」も体験してきましたので、ご紹介します。
 
最初に出来上がりの盛り付け例を見せてしまいましょう。
 
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いわゆる照り焼きに白ゴマをまぶして風味を加えた鶏肉と、しょうゆベースのたれに漬け込んだレンコン、里芋、タケノコなどの根菜とオクラを焼いたもの。火の通り具合など、いっぺんに焼いてしまった場合はどうなるのだろうと思ったのですが、ジューシーな鶏肉と、適度に歯ごたえの残る野菜は、誰にでも好まれるような仕上がりになっていました。

 
 
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2008年12月28日

「ヘルシオ」の調理体験記〜Vol.2

こんにちは。sallyです。
 
排気ダクト内蔵で上部の空間は10センチでOK、左右には5センチの空間が必要だけれど、背面を壁につけて設置できるようになったことまで説明して終了した「ヘルシオ」(AX-X1)の話の続きです。まずは酢豚から…と言っておきながら、酢豚の話に到達しないままで、すみませんでした!
 
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こちらは、調味料で下味をつけた後、片栗粉をまぶした豚肉です。下味&片栗粉の作業は、ビニール袋内で行うと手軽だし後片付けも簡単。天板(角皿)には調理網をのせて豚肉を置いています。角皿に肉の脂分などが下に落ちるのでアルミホイルを敷いておくといいとのこと。
 
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こちらは、もう1枚の天板。アルミホイルを敷いた上に、玉ねぎ1個分をくし切りにしたものを並べ、隣には耐熱容器を。で、この中には、調味料、片栗粉のほか、パプリカ、ピーマン、干しシイタケ、タケノコの水煮など、豚肉と玉ねぎ以外の材料がすべて入っています。
 
ここまでで、準備は完了。さっきの豚肉の天板を上段に、玉ねぎ+耐熱容器のほうを下段にセットしたら、自動メニューの「酢豚」を選び、さらに「1〜2人分」「3〜4人分」の中から、合うものを選んでスタートボタンを押します。


 

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2008年12月27日

「ヘルシオ」の調理体験記〜Vol.1

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こんにちは。sallyです。
 
水で焼くオーブン、ウォーターオーブン、過熱水蒸気を使ったオーブン…さまざまな言い方はあるけれど、シャープの「ヘルシオ」が2004年に登場してから早くも5世代目を迎えています。家電量販店のキッチン家電コーナーでも週末になると実演をしているのを何度も見かけていますが、店頭という理由もあってか、焼き芋だったり、とうもろこしだったりと、なかなかちゃんとした料理を作っている様子や、その味を確かめる機会がないのが残念でした。
 
確かに脂分や塩分が抜け落ちてヘルシーな料理が作れるらしいけれど、調理時間はどれくらいかかるものなのか? 店頭で質問してみても「すべてオート調理ですから、時間の心配はありません」。…いや、そういうことじゃなくて、調理時間がどれくらいなものなのかを知りたいということで聞いたのに…なんていうこともしばしば。
 
それに、「ヘルシー料理≠あんまりおいしくない」というイメージがなきにしもあらず(ごめんなさい)。どんなに健康的でもおいしくなければいやですもんね。それに2つのメニューを同時調理できるセットメニューって、どうやって作るの? 自分の作りたい料理や分量に合わせて、応用がきくものなの? 
 
などなど、疑問点は数知れず。そうした折に、「一度、ヘルシオの調理体験をしてみませんか」とシャープの方からお誘いいただき、念願かなって「ヘルシオで調理して、試食する」という機会に恵まれました。
 
さて、この日に作ったのは、「酢豚」「鶏のごまだれ焼き&和風焼き野菜」。2台のヘルシオを使っての同時進行で行いました。
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