
こんにちは。sallyです。
11月1〜3日に開催された視覚障害者のための総合イベント「サイトワールド2009」。第4回となるサイトワールドに今回初出展をした三菱電機の“しゃべるテレビ”や使いやすさに配慮したリモコンについてご紹介しましたが、もう一つ、IHクッキングヒーターのことにも触れておきたいと思います。
三菱電機のIHクッキングヒーターは、銅やアルミの鍋でも使える「オールメタル」は採用せず、今年3月に初めて奥の熱源もIHにした「3口IH」を登場させたばかり…と、一見地味なイメージがありますが、2007年には“トリプルリング加熱”による煮込みモード、2008年には“グリルディッシュ”を利用して、グリルで簡単においしいパンを焼いたり、ハンバーグなどの調理が失敗なくできるようしたりと、火を使わない安全性やお手入れのしやすさが強調されていたIHクッキングヒーターに「おいしさ」というキーワードを加えた点で、際立ったものがあります。
つまり、ハード面だけの開発だけでなく、使う楽しさ、食べる楽しみというようなソフト面にまで力を入れているのが三菱のIHクッキングヒーターの大きな特徴です。
でも、それだけではなく、見過ごしがちな点まで細やかに気を配って、“無意識のうちの安全性・使いやすさ”を追求しているのも注目したい点です。

たとえば、この「グリルガード」も三菱ならでは。調理中にかなりの高温になるグリルのドアを上の写真のようにガードして、小さな子どもがうっかりさわってしまっても火傷の心配のないように配慮されています(ただし、3500円で別売)。
先日のサイトワールドでは、視覚障害者が対象でしたが、そうした方にもこのグリルガードはとても役立つと聞いて「なるほど!」と思いました。これは「うっかり触ってしまう」ことの防止ではなく、グリルの右側にあるダイヤル式の火力調節ボタンを手探りで探す際に、どうしてもグリル部分を触りながら右のほうに手を移動させることが多いため…とのこと。

こちらは、ガラスプレートの一部ですが、よく見ると、表面のざらざらした模様が真ん中の円の部分と。その周りとでは、違っているのがわかります。これは、手で触れただけで、鍋を置く位置が確認できるためなのだそう。
IHクッキングヒーターは火を使わない調理器具なので、早い段階から視覚障害者に使われているようですが、だからこそのこうした配慮は、すばらしいなと思います。
また、案外知られていないことかと思いますが、三菱のIHクッキングヒーターの調理中の「音」は、37dB。これはガスコンロの調理時の音とほぼ同じなのだとか。従来から使い慣れたガスの音と同じ音で調理できるというのは、聴覚を大切にしている視覚障害者の方にとってはとても大切なことなのだと、以前、三菱電機ホーム機器の本社&工場にうかがったときに説明していただいたことがあります。

そのほか、点字シートや「使い方音声CD」も用意されています。他のメーカーさんでも使い方の音声CDを作っているところはあるそうですが、三菱ではさらに進んで基本レシピまで音声で説明してくれるようになっています。

(画像をクリックすると少し大きくなります)
IHクッキングヒーターでは、推奨されている専用鍋を使うのが理想的ではあるけれど、鉄やステンレスなど磁石がつく鍋なら使えます。でも、素材や形状によって、微妙に火力が弱くなってしまうこともあるんですよね。
つまり、出力が一定でも、実は火力は同じではないということ。三菱電機のIHクッキングヒーターは2001年から採用している“パワフル制御”で、鍋などの条件が違っても、常に火力を一定に保てるようにしています。これはつまり、「中」にしたのに「ガスの中火のイメージよりも弱い火力」になるというようなことが起きず、ガスを使っている時と同じような感覚で調理ができるということ。
出力でなく「火力」での温度コントロールをしているのは、実は三菱のIHクッキングヒーターだけなのだそう。
担当者の方いわく、「ちょっと難しい話なので、最近はパンフレットにも載せていないし、販売店の人でもあまり知らないとは思いますけれどね。でもいいんですよ、三菱のIHは無意識のうちで不具合がなく、快適に使えることが何よりですから。使いやすいことが当たり前なんですよ」。
…と相変わらず、奥ゆかしい発言が多くて何やらもどかしいのですが。難しい説明を平たい言葉に変えて、ちゃんと伝えていくことも大切だと思います、私は。
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というわけで、視覚障害者の方にも、お年寄りにも、初めてIHクッキングヒーターを使う人にも、誰にも安全で使いやすい三菱のIHクッキングヒーターの隠れたよさのご紹介でした。
ただし、決して三菱のIHクッキングヒータが一番と言っているわけでもなく、こうしたいいところがありますよということ。たとえば、パナソニックの横に3連並んだIHクッキングヒーターは、トライアングルよりも使いやすいという人が多いでしょうし、銅のお鍋を大切に使っている人には、オールメタルのものがうれしいと思います。
IHクッキングヒーターは、リフォーム時に業者さんからすすめられて決めてしまう人も多いと思うので、選択の余地が少ないのかもしれないけれど、それぞれのメーカーさんの特徴を知っていると知らないとでは、毎日の調理時の満足度が違うのではないかなあと思います。
まだまだ、私の力は微力ですが、こんな記事でも何かの際にお役に立てたら幸いです。
ちなみに、IHクッキングヒーターやオール電化などについての情報が足りないなあという方は、以前、私が連載記事を書かせていただいたこともある(株)リックが運営している「オール電化JP」がわかりやすくて参考になると思います。
★オール電化JP