2011年03月30日
計画停電などの非常時に役立つ「太陽光発電の自立運転モード」
こんにちは。家電コンシェルジュのSallyです。
ここのところ、少し寒さが緩んできたこともあり、暖房による電力使用量が減ったり、多くの人の節電が力になったりで、「計画停電中止」のお知らせが続いてほっとしますね。
ところで、日照時に太陽の光を電気に変える「太陽光発電」を取り入れている場合、停電時に「自立運転モード」に切り替えることで、電気が供給されることをご存じですか? 晴れた日の昼間という、天候条件や時間帯の制約はあるものの、専用のコンセントに使用したい電気製品を差し込めば、発電している分の電気を使うことができます。
これは、シャープの太陽光発電「サンビスタ」のサイトにあったものをお借りしてきた図ですが、停電時の自立運転モードの仕組みがとてもわかりやすく説明されています。
太陽光発電ブレーカをオフにした後、自立運転に切り替えることで、専用コンセントでAC 100V (最大1.5KWまで)が使用できるとのこと。これを上手に活用すれば、停電時にラジオなどを使用して災害時の最新情報を確認したり、携帯電話を充電したりということも。
太陽光発電は通常時、まずは設置された家庭で使用する電力が差し引かれ、その残りの電力が売電に回されます。この売電分は電力会社の供給電力の一部として使われます。ただ、逆に停電になると、売電はストップしてしまい、自分で使わない分はすべてムダになってしまうので、たとえわずかでも、日中の停電時は非常用電源に切り替えて使用したいものですね。
ただし、太陽光発電システムのメーカーや機種によりモード切り替え作業が異なるので、必ず付属の取扱説明書で確認をすることを忘れずに。突然の発電出力低下は、接続した電気製品によっては事故の恐れがあるため、天候の変化にも注意…と自立運転モードをうまく使いこなすにはコツが必要かもしれません。
◆シャープ 太陽光発電システム「サンビスタ」
http://www.sharp.co.jp/sunvista/
◆太陽光発電所ネットワーク
http://www.greenenergy.jp/
2011年03月26日
オール電化はそんなに悪者?
こんにちは。家電コンシェルジュのSallyです。
3月23日のYOMIURI ONLINEに「オール電化住宅、普及裏目…原発2基分の消費増」という見出しの記事が出ました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110323-00000569-yom-bus_all
一部を抜粋して紹介すると…
東京電力が、給湯や調理などすべてを電気でまかなう「オール電化住宅」の普及を推進してきたことが、今回の電力不足に拍車をかけている。この3年間で戸数が倍増し、最大で原子力発電プラント2基分にあたる約200万キロ・ワット分の電力消費能力が増えた可能性がある。東電は、東日本巨大地震後、計画停電をせざるをえない状態で、オール電化の普及策は抜本的な見直しを迫られている。
これを受けて、昨日の夕方のニュース番組では、都内のオール電化住宅に住む人を取材をし、計画停電の際に調理もできなければお風呂も沸かせないことなどを取り上げ、オール電化のマイナス面について強調して報道していました。
でもね、これは都内に住んでいる人が停電で困っている…という部分だけを取り上げた話なんですよね。インフラを電気だけに頼ることの脆弱さや、地球温暖化防止のための発電として原発推進をアピールしてきたのに、今回の事故は何なんだ!という部分はあるにせよ、被災地では、いまだガスが復旧していない地域も多く、「オール電化住宅の家のお風呂に入りに行っている」という話も聞かれます。ガスと電気のどちらがいいかというころではなくて、災害の際に電気の復旧がもっとも早いというのは、よく知られたことです。
それに、今、節電が大きな問題になっていますが、ここでも何回か書いているように、大規模停電を避けるために大切なのは、総電力量を抑えることではなくて、ピークを分散させること。今の季節は、18時〜19時がピークと言われています(だから、ごはんを炊く時間をずらしましょう。土鍋で炊いてみるのもいいですね…と提案しました)。
オール電化住宅の場合、消費する総電力量は上がっているでしょうけれど、深夜電力を使ってお湯を沸かし、季節と時間帯にわけて電力量料金単価を設定した「電化上手」プランを用意するなど、オフピーク時間をうまく活用するような「分散型電力消費」ができるようになっているんですよね。
なんだ、オール電化住宅は不便だし、節電だというのに電気をたくさん消費するばかりでいいところがないじゃないか…そんなふうに思うばかりでなく、いいところにも目を向けてほしいなと思っています。
とはいえ、電力量が足りないのは事実。原発事故の行方が不安なのも事実。これからいろいろなことが大きく変わっていくのかもしれないけれど、何か1つを責めたり悪者にしたりするのではなく、ものごとを俯瞰して見て、柔軟に対応していくことが大切ですね。